油田を発見して「経済崩壊」した国・モーリタニアのやばい謎を亜留間次郎が解説! 現在は中国政府が介入し…!?
しかし、あっというまに産出量は減り始め、2007年9月には日産1万バレルにまで落ちこみ、2007年のGDPは33億3千万ドルと停滞気味になり、それでも2008年には39億5千万ドルにはなったのですが、2009年は36億7千万ドルとマイナス成長に転落します。
なんとか、外国から新技術を導入して2009年には日産1万7千バレルにまで盛り返したものの2013年には力尽きました。国営石油会社モーリタニア炭化水素公社は2015年に赤字の財務諸表を公開すると、以後活動していません。
油田というものは袋に針を刺して中身を吸い出しているようなものなので、中身の残量が少なくなってくると吸いだせる量が減ります。
そこで海水を注入して中身を膨らませてから吸い出して、吸い出したものを海水と油に分離する装置を導入したりしたのですが、単純計算したら分かるとおり、1億2千万バレルの油田も勢い良く吸い出したら10年足らずで無くなってしまったのです。
それなのに、国家も国民も降って湧いた大金に金銭感覚がおかしくなってしまい、永遠に石油が出続けると錯覚していたのです。
■夢覚めて
油田からの収入がなくなると、経済は低迷してマイナス成長に転じて、落ち込みました。
劇的な経済成長をもたらした油田でしたが、夢はあっというまに覚めてしまいました。石油王は一時の夢だったのです。
別に石油会社に騙されていたわけでも、誰かが利益を独占して肥え太ったわけでもありません、石油会社はちゃんと提示した利益をモーリタニア政府と国民に支払いました。
なんか思ってたのと違った、期待していたほどじゃ無かったというか、そもそも、47億ドルを300万人の国民全員に均等に分配したら1人あたり1566ドル(約17万6千円)ぐらいにしかならないのでは? 平均年収350ドルの国の基準から見たら、国民全員に年収の4倍以上の金をばら撒いてくれた政府は真面目に公平に頑張ったのでは?
油田は一般的なイメージほど儲かる物じゃなかったって現実が、石油王の夢を砕いただけなのです。
一千兆円も日本人全員で平等に分けたら1人800万円ちょっとにしかなりません。一千兆円が地面から湧いて出ても、皆で仲良く平等に分けたら、一生遊んで暮らせる石油王に成れないのは自明の理でした。
しかし、一度美味しい思いをしたら忘れられないのが人間の常で、2018年現在、もう一回油田が見つからないかと夢と希望なのか妄想なのかわかりませんが、モーリタニア政府はシェル石油と油田調査の契約を結び、新しい油田を探索中です。
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2024.10.02 20:00心霊油田を発見して「経済崩壊」した国・モーリタニアのやばい謎を亜留間次郎が解説! 現在は中国政府が介入し…!?のページです。中国、タコ、石油、モーリタニア、オイルマネーなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで