油田を発見して「経済崩壊」した国・モーリタニアのやばい謎を亜留間次郎が解説！ 現在は中国政府が介入し…!?

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■蛸の国から愛をこめて

　油田が見つかる前のモーリタニアの経済を支えていたのは鉱山と漁業です。

　1978年に日本のJICAが技術支援でタコ壺漁を教えたらタコが山ほど取れるようになり、モーリタニアの重要な輸出品になりました。日本の輸入タコのシェア1位を占めており、日本のタコヤキはモーリタニア無しには成り立ちません。皆さんもスーパーでタコを買うときに原産地を良く見てみましょう、モーリタニア産が日本で流通しているタコの30%以上を占めています。

　なのに、モーリタニア在住日本人は大使館関係者20人ほどしかおらず、モーリタニア人は日本人をほとんど見たことがありません。在日モーリタニア人も駐日大使と大使館員を含めても20数人しかいないので、日本で見かけることもほとんどありません。

　石油バブルにより、食べる物にも困っていた国民は明るい未来を夢見て子作りに励みました。

　その結果、総人口が300万から430万へと130万人も増えてしまい、平均年齢は下がりましたが、国土の大半が砂漠の国にこれを養える食料生産能力はありません。貴重な外貨収入と石油で溜め込んだ貯金を食料の輸入に当てざるを得ない状況に追い込まれ、現在は食料の70%を輸入に依存しています。

　ちなみに、モーリタニア人はタコを食べません。なぜなら日本人が高値で買ってくれるので、タコを食べるよりタコを日本人に売った金で食料を買ったほうがお得だからです。

　食糧不足なのに、自国で取れた食べ物を外国に輸出して得た外貨収入で外国から食べ物を買うってなんか変な気がしますけど、カロリーベースで計算してみるとタコを食べるより、タコを売った金で外国から買った食料を食べた方が摂取カロリーは高くなるので、損得勘定はちゃんとできています。しかも、タコの輸出と食料の輸入が行われるということは物流業の需要と雇用が生まれるということで、経済発展にもプラスに働きます。

　しかし、タコも40年にわたる乱獲により激減し、タコ資源も枯渇しそうになってきています。ひたすら採れるものを食いつぶしてきたツケが回ってきているのです。

■再び植民地へ

　最近のモーリタニア経済を支えているのは中国政府が無償で作ってくれる建築物です。日本で言う箱物行政で持ち直しているのです。

　中国からの莫大な無償援助のおかげで2017年のGDPはプラス成長へ持ち直し、2018年もプラスになる見込みです。国会が開かれる大統領官邸から省庁舎まで全て中国政府が無償で建ててくれたってすごい経済援助ですが、電子投票システムから国家中枢のコンピューターシステムまで全て中国政府の資金で中国製品を導入して中国人が技術指導って、盗聴でも監視でもなんでもアリで、投票結果すら中国から遠隔操作出来そうな気がするのは著者の妄想でしょうか？　そうだと良いのですが。

　貧困は嫌だから大国の属国になるって選択も、苦しんでいる国民が救済されるなら仕方がないかも？

参考：「国営石油会社モーリタニア炭化水素公社」ほか

文＝亜留間次郎

亜留間次郎

薬理凶室の怪人アルマジロ男。人間の皮を被った血統書付きアルマジロ。守備範囲は医学から工学、ノーマルからアブノーマルまで幅広く、アリエナイ理科ノ大事典など、くられ氏と共に薬理凶室関連の共著多数。単著に『アリエナイ理科式世界征服マニュアル』（三才ブックス）がある。よくわからないケダモノなのでよくわからないネタで攻めていきます。

・公式サイト　http://asai-laboratory.sakura.ne.jp/
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