UFO、覚せい剤、宇宙人、コンタクティの正体… 今年最注目のUFOドキュメンタリー邦画『虚空門 GATE』が問題作すぎる!

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庄司哲郎氏(撮影=編集部)

■UFOの謎と、UFOを取り巻く人間模様と

 1952年11月20日、ジョージ・アダムスキーがアメリカのモハーヴェ砂漠で金星人オーソンとコンタクトしてからというもの、次々と地球上にコンタクティーと称する人物が現れた。人類は有史以前からUFOとの邂逅をしている。しかし、未だにUFO問題に決定的な結論は出されていない。

 映画のラストシーンは、そんな疑問に対する“現時点での答え”が集約された形となった。魂に染み入るHumanCubeの楽曲とmi-co氏の歌声がすべてを浄化する美しいフィナーレであったが、小路谷監督が描きたかった答えは、まだ別にもある気がした。

 上映後、観客はみな一様に個々の考察や感想をいつまでも語り合っていた。ドキュメンタリーであるにもかかわらず、何者かによって描かれたシナリオを見せられているような奇妙な感覚もある。

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 本作に近い映画作品としては、白石晃士監督の『オカルト』が挙げられるだろう。『オカルト』は、白石監督が「神の啓示を受けた」という派遣アルバイトでネットカフェ難民の男を追う構成になっている。同作は、白石監督が製作者という領域を超えて、「神の啓示」を受けた男にのめり込んでいる様子から「精神的なBL映画」とも評されている。

 庄司氏を執拗に追いかけて撮影する小路谷氏にも、同様の姿勢が感じられるのだ。また、撮影しながら行動をともにしている庄司氏と、恋人である林泰子氏との複雑な緊張感も、この映画の味わいとなっている。一筋縄ではいかない映画であり、見るものの心にいつまでも消えない不思議さが残る。それだけこの映画には魔力があるということだろう。

 ちなみに筆者は、上映後のパーティ会場で庄司氏がスマホで撮影したという母船型UFOなど、数々の不思議な写真を直接見せてもらった。筆者としては、これはフェイクなどではないと考える。庄司氏は「選ばれた人」であり、我々に問いかけ、何かを伝える役目があるのだろう。そして、小路谷氏もまた「選ばれた人」だからこそ、この映画を撮影する使命に突き動かされたのではないか? その点が明かされるのは、すでに構想があるという次作になるだろうか。

 いずれにしても、UFOを取り巻く謎は、それに心を奪われてしまった人々とその人間模様まで含めて実に神秘的であることを再認識させられる――『虚空門 GATE』は、そんな稀有な体験となること請け合いだ。

UFO Human Documentary- 虚空門 GATE -

企画・制作 株式会社ブライドワークス、MONALISA FILMS
監督 小路谷秀樹
撮影 小路谷秀樹、小路谷恵美
プロデューサー 小路谷秀樹、小路谷恵美
編集 小路谷秀樹
音楽 こおろぎ、HumanCube
テーマソング HumanCube『光と闇の物語』『キオク』
出演 庄司哲郎、林泰子、竹本良、巨椋修、大森敏範、宇宙大使くん、他
公式サイト http://gate.salon/

小路谷秀樹 プロフィール

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 京都府舞鶴市に生まれ、北海道上湧別町に育つ。
 高校2年次8mm映画「ありふれた幽悶」を創り、NHK「若い広場」にて放映される。
 東洋大学インド哲学科中退。実験映画研究所イメージフォーラム卒業後、日本初のアダルトビデオ制作販売会社「宇宙企画」にディレクターとして入社。数々のアダルトビデオを監督する。ちなみに「アダルトビデオ」というネーミングは小路谷秀樹によって造られたと云われている。代表作は「美智子の恥じらいノート」「インモラルエクスタシー」「天なる龍と地なる亀」。
 1991年にアダルトビデオパンチドランカーに陥った小路谷はアントニオ猪木氏と出会い、女の裸から一転、男の裸、プロレスの世界に身を投じ、数々のプロレスビデオを監督、プロデュースする。代表作はアントニオ猪木氏が平壌で19万人の大観衆を集めて行った平和の祭典の一部始終を綴ったドキュメンタリー「猪木道」である。
 2012年の暮れユーチューブにアップされていた「月面異星人遺体動画」に衝撃を受けた小路谷は本策「虚空門 GATE」の制作に踏み切る。

【Cinema】
1986年 「ザ・本番」(にっかつ)
1988年 「性」(新東宝)

【Video】
1986年 MOMOCO(学研)
1995年 猪木道(ポニーキャニオン)

【Scenario】
2005年 日本シナリオ大賞・奨励賞受賞 「ゲイラット・遥かなる炎

文・取材=白神じゅり子

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