「娯楽用大麻」解禁前夜のNYを現地リポート! TVが報じない“米国とマリファナ”の実態(高樹沙耶×石丸元章×野々村文宏)
●バーニーズ・ニューヨークが、高級大麻セレクトショップを開始した
石丸 話は西海岸に飛びますが、バーニーズ・ニューヨークが、高級マリファナを取り扱うセレクトショップ「The High End」を、今月3月にビバリーヒルズにオープンさせるそうです。そういう気配は、ニューヨークのバーニーズにはありますか?
高樹 そのニュースを見て、私はただただ、ここまできたか、うらやましいなという感じです。ただ、バーニーズはTHC入りのものも売るのかな、それともCBDのコスメティックなどなのか、そこまでの情報が入ってきていませんけれどね。
石丸 大麻素材のものを使ったセレクトショップなのかもしれませんね。
野々村 ニューヨークではまだ合法化されていませんから、大麻のショップはまだできません。ただ、さっきも言った通りCBDのショップはたくさんできています。嗜好用大麻が解禁される日を迎えたら、そこが即、大麻ショップになることは容易に想像がつきますよね(笑)。
高樹 ははは。
野々村 バーニーズ・ニューヨークでは、「The High End」というネーミングでもわかる通り、大麻関連商品をわざわざ高値で、日本で言う「セレブ」向けの高級ブランドとして展開したいんでしょうね。
石丸 突然大麻が解禁されると、街の人々は動揺したり、喜んだり、怖がったり…… とにかく大騒ぎすると思うんですよ。渋谷のハロウィーンもそうだけど、その騒動が社会問題化する。解禁は、ニューヨークのようにプロセスを経て進めていくべきなのかもしれないですね。
高樹 今は日本でもCBD製品を色んな場所で販売を始めてきて、『大麻が実は健康にいいのではないか?』と思う人が増えてきてますよね。
野々村 「どんちゃん騒ぎ」と言うと語弊があるかもしれないけれど、人間には、なにかにつけて騒ぎたいと言う気持ちがあるのも事実だと思うんです。いきなりの大麻解禁で、日本社会が、ハロウィンや新年に渋谷の街が収拾がつかなくなるようなことの二の舞は、体制側としては避けたいんでしょう。―― 実際、アメリカでも段階を踏んでいる。まず、医療用大麻の解禁があって→娯楽用大麻が州法で解禁されていって→次は全米の連邦法だという流れがある。ニューヨーク州の娯楽用大麻解禁にしても、工程として、まず4月までに大麻規制課税法案をつくろうとしています。
高樹 日本は『大麻』って言葉を口にするだけでも敬遠されるような空気で、逮捕されてからの社会的な制裁もメチャクチャ厳しいからいつの間にか社会の中で厳しいかん口令みたいな状況を自分たちで生み出してしまっている。でも、実は大麻を知っている人も意外に多くて、解禁したら『実は俺も‼ 私も‼』って言い出す人が沢山出てくるとおもいますよ。“どんちゃん騒ぎ”早くその時がきてほしいですね。
というわけで、解禁前夜のこの瞬間、ニューヨークの街角では静かに大麻の煙が匂っているという。続く第2回目の“大麻解禁前夜NYのこの瞬間の対話”は、アメリカは大麻解禁を、政治的にどう位置付けて対応しているのか――。より詳しく読み解くことに挑戦したい。……だめえ?
<後編につづく>
◎高樹沙耶(たかぎ・さや)
1963年8月21日、静岡県生まれ。元女優、元作詞家、石垣島のキャンピングロッジ 「虹の豆」オーナー。1983年に主演映画『沙耶のいる透視図』で女優デビュー、映画&ドラマシリーズ『相棒』ほか、数多くの作品に出演、人気を呼ぶ。著書に『贅沢な暮らし—衣食住が育む「心のラグジュアリー」』(エクスナレッジ)、『ホーリープラント 聖なる暮らし』(明窓出版)ほか
@ikuemiroku
◎野々村文宏(ののむら・ふみひろ)
1961年、愛知県生まれ。和光大学表現学部芸術学科准教授。ニューウェーブ誌、ゲーム誌の編集者を経て、美術評論家、メディア論研究者。共訳書にチョムスキー『知識人の責任』(青弓社)、[Manga Dan Graham Story](kindle版あり)など
@nonomurax
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2024.10.02 20:00心霊「娯楽用大麻」解禁前夜のNYを現地リポート! TVが報じない“米国とマリファナ”の実態(高樹沙耶×石丸元章×野々村文宏)のページです。ニューヨーク、高樹沙耶、米国、大麻、野々村文宏などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで