宇宙人から受け継いだ叡智「アフリカ・ドゴン族のシリウス神話」とは!? 半魚人ノンモ、ニャン・トロ星人… 西洋文明を凌駕する知識!
この伝承をグリオールに語った盲目の智者オゴトメリによると、シギトロとはシリウスのことなのだという。この話を聞いてグリオールは驚いた。シリウスは連星であり、非常に明るいA型主系列星のシリウスAと小さく高密度な白色矮星のシリウスBという2つの恒星からなる天体である。この事実が発見されたのは1844年と、ごく最近のことだったのだ。また、当時は第三の恒星の存在も示唆されていたのである。
他にも、ドゴン族は木星の4つの衛星や土星の輪について知っていた。それにしても、なぜ西洋の科学がつい最近まで知らなかった知識を、ドゴン族が伝承に語り継いでいるのか? 一説には宇宙人から授けられたとも囁かれているこの「シリウス・ミステリー」により、ドゴン族は世界的な知名度を得ることになり、大きな注目を集めることとなった。
■伝承は本物か?
その後、ドゴン族の元には多くの研究者が訪れるようになった。だが、後の研究によって、皮肉にもシリウス・ミステリーは現在では否定されるようになっている。
シリウスにまつわる伝承はドゴン族の一部集団だけに残されており、他の集団の神話では語られていないことがわかっている。また、1940年代以降に確認されるようになったもので、それ以前にはなかったとされているのだ。
ドゴン族の神話は口伝であり、また一部の人にのみ語り継がれてきたもののため、その変化を調べることは難しい。現代の観測の結果、シリウスは二連星であるとされているが、20世紀前半には三連星であると考えられていた時期があった。今では、1920年代に訪れた西洋の人々が持ち込んだ天文学の知識を、ドゴン族が神話に取り込んでしまったのではないかと推測されている。なお、このような指摘はドゴン族に限らず、民俗学や人類学の研究においてたびたび起こっている。
■ドゴン族の今
長年独自の文化を育んできたドゴン族であるが、近代化の波に抗うことはできない。マリではドゴン族が観光資源になっており、一部の人々がイスラム教やキリスト教に改宗するなど、その文化や伝統には大きな変化が起きていると指摘されている。また最近では、近隣に住む遊牧民フラニ族と土地や水めぐる衝突が絶えないといい今年3月にはドゴン族がフラニ族の村を襲撃、女性や子供を含む130人以上を殺害する凄惨な事件も起きている。
果たして、ドゴン族は本当にシリウスが連星だと知っていたのだろうか? だが、その伝説を検証し直すことは、今となっては難しいだろう。
参考:「Soul:Ask」、「Wikipedia」、「BBC」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊宇宙人から受け継いだ叡智「アフリカ・ドゴン族のシリウス神話」とは!? 半魚人ノンモ、ニャン・トロ星人… 西洋文明を凌駕する知識!のページです。シリウス、アフリカ、ドゴン族、マリ共和国、シリウス・ミステリー、ニャン・トロ、ノンモなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで