医者いじめの「上小阿仁村」でまた事件! 村唯一の医師が懲戒処分…次々と医師が辞める村の謎とは!?
■本当に“医師いじめ”はあったのか?
西村医師は実験に飽きたのか、それとも……。今となっては真実は分からないが、「週プレNEWS」は、明確にいじめが確認できたのは有沢幸子医師のケースだけであり、他の医師は村長とのトラブルや医療機材の購入トラブルなどで辞職していったとしている。有沢医師がいじめられた理由は「男尊女卑が根強い社会」だからとのことだ。
●奈良県立医科大学の調査「事実とは異なる風評」
それぞれの医師の退職理由を調査した2014年の奈良県立医科大学の調査も「週プレNEWS」の主張を裏付けている。
医師1は「診療所の在り方に関して住民との間にギャップがあったこと、診療所の赤字について村当局が医師の就業意欲を殺いだこと」が退職理由。
医師2(有沢幸子医師)は「中傷とされる投書や意見が村役場や診療所に来ていたが、本人に直接言葉が投げかけられた事実は確認できなかった」という。最終的に「健康上の問題」が退職理由。
医師3は、「気候が合わなかったこと」が退職の理由。
医師4(西村勇医師)は、「もう秋田には戻らない」とFAXで退職願を提出。
医師5(岸部陞医師)は、「北秋田市より施設長就任を依頼されたこと」が退職理由。
とのことであり、村人から中傷されていたと分かったのは有沢幸子医師だけだったという。同研究は、「上小阿仁村の医師確保困難問題は、住民とは程遠いインターネット上で、事実とは異なる風評が広まった」と結論付けている。
■医師いじめの裏に村内政治?
また、医師いじめは「不心得者」を糾弾した小林宏晨氏が村長に就任した2008年から始まっていることから、小林元村長と対立する村内の権力者の指図で行われていたという噂があるが、これもネット上で広がったデマとの見方が強い。ただ、「クレームを付けていた「不心得者」は小林氏への反対派ではないか」という質問に対して、先ほどの中田元市長は「そういうことは私の口からは言えない」と言葉を濁している点が気になるところではあるが。
以上により今回の無診療処方も医師へのいじめである可能性は低そうだ。「住民のタレコミ」を口にする人々は、上小阿仁村の強烈なイメージに引っ張られているだけだろう。問題となっている柳一雄医師も2013年から上小阿仁国保診療所にいるが、村民とのトラブルは報告されていない。
上小阿仁村の“風評被害”が払拭され、医師不足問題が一刻も早く解決することを願いたい。
参考:「秋田魁新報」、「朝日新聞Digital」、「広報かみこあに」、「読売オンライン」、「広報かみこあに」、「奈良県立医科大学」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊医者いじめの「上小阿仁村」でまた事件! 村唯一の医師が懲戒処分…次々と医師が辞める村の謎とは!?のページです。いじめ、秋田県、上小阿仁村、医者いじめ、無医村、陰湿などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで