謎の八元数「オクトニオン」が宇宙と量子の謎を解き明かす鍵だった! “8次元世界の数学”で人類は昇格する!

 従来型のサイエンスの観点からみればきわめて難解な量子力学だが、先鋭的な数学からのアプローチで量子論の世界に迫れるかもしれない。そのカギを握っているのが実に複雑な数式である“オクトニオン”である。

■四元数から八元数の発見へ

 一般的な日常生活では足し算、引き算、掛け算、割り算というシンプルな算数だけでおおよその用事は足りると思うが、数学の分野はそんな単純な世界ではないことは、進学で文系を選択した向きには痛感させられる(!?)事実だろう。

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ハミルトンが橋に刻んだ数式 画像は「Wikipedia」より

 その中でも特に難解なものの1つに、1843年にアイルランドの数学者ウィリアム・ローワン・ハミルトンによって発見された四元数(クォータニオン、quaternions)である。四元数は3次元空間での回転が計算できるとされ、例えば3Dグラフィクスの作成などにも応用されている。

 四元数はいわば4次元の世界から我々の3次元空間の運動を解釈するものであるといわれる。換言すると、四元数を用いている時、我々は数学的に4次元の世界に入り込んでいるのである。

 ちなみにハミルトンはこの四元数の基本となる数式をアイルランド・ダブリンの運河沿いを散歩中に思いつき、ちょうど通りかかったブルーム橋にその数式を刻みつけたといわれている。

 このハミルトンの発見のおかげで、現代物理学とベクトル解析の基礎ができあがり、さまざまな電子機器の開発を可能にした。

 話はこれでは終わらない。このハミルトンの四元数の発見に刺激された数学者のジョン・グレイヴスによって、今度は八元数(オクトニオン、octonions)が発見されることになった。

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「Big Think」の記事より

 四元数がいわば4次元の世界から物事を解釈しているのだとすれば、八元数は文字通り8次元の世界の数学ということになる。数学の門外漢にとっておよそ想像もつかない8次元の世界がもし数学的に可能であれば、確かに複雑怪奇な量子論の世界にも切り込んでいけるのかもしれない。

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