謎の八元数「オクトニオン」が宇宙と量子の謎を解き明かす鍵だった! “8次元世界の数学”で人類は昇格する!

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■八元数と素粒子物理学の融合

 四元数と八元数は、量子力学における複素数やアインシュタインの特殊相対性理論などでも使われ、現代の物理学の発展に広く寄与する画期的な発明であるといわれている。

 そしてさらにこれらの数式を応用すれば、この宇宙の秘密にも迫ることができるのではないかという臆測も、一部の研究者の間から出始めてきたのである。

 米・フロリダ大学の素粒子物理学者であるピア・ラモンド教授は、八元数はセイレーンがオデュッセウスに対して行ったのと同じ魅惑を持つ物理学であると説明している。

 ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公であるオデュッセウスは、航海中にセイレーンと呼ばれる美しい女性の半獣人が歌う妖艶な歌に惑わされる。この歌に完全に魅了されてしまうと海の中に引きずり込まれてしまうということだが、まさにこの妖艶な歌こそが八元数であるとラモンド教授は指摘していることになる。

 1973年には、八元数は原子核で陽子と中性子を結びつける“強い力(atomic nucleus)”と予期せぬ関係があるのではないかと指摘され、その後も超ひも理論やM理論などへの応用が研究されている。

謎の八元数「オクトニオン」が宇宙と量子の謎を解き明かす鍵だった! 8次元世界の数学で人類は昇格する!の画像3
「Big Think」の記事より

 2014年にはカナダ・ウォータールー大学の大学院生であったコール・フューレイ氏によって、“強い力”と電磁力を含む八元数モデルが考案されている。現在は英・ケンブリッジ大学のポスドクであるフューレイ氏は、八元数を素粒子物理学の標準モデルに結び付ける一連の研究で成果をあげ、一部の科学者によって称賛されているということだ。

 米・ラトガース大学の数学物理学者である Shadi Tahvildar-Zadeh氏は「彼女は物理の世界の本当に深い謎を解くことに向けて重要なステップを踏み出しました」と述べている。

 インペリアル・カレッジ・ロンドンのマイケル・ダフ教授もフューレイ氏の取り組みに注目していながらも「その研究が革命的な結果になるとはまだ言えません」と、こちらはやや慎重だ。

 フューレイ氏は自分の研究を「手がかりを集めるプロセス」と考えており、曖昧な研究分野であることは認めているという。それでも昨年5月「The European Physical Journal C」にいくつかの発見をまとめた論文を発表し、その後も素粒子物理学の標準モデルを完成させるなど、八元数の世界を理解するための正しい場所を見つける試みに取り組んでいる。フューレイ氏の研究によって、混迷を深める現代の物理学に新たな希望が見えてきたとも言えそうだ。今後の研究の進展が注目される。



参考:「Big Think」、ほか

文=仲田しんじ

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