平成を葬る僧侶、光と音の車椅子タワー、円を描き続ける女、暴走アイドル集団… 平成最後の「岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展」がヤバすぎる!

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岡本太郎賞受賞・檜皮一彦《hiwadrome: type ZERO spec3》

 今年も恒例のTARO賞こと岡本太郎現代芸術賞展が開催されている(4月14日まで)。特に22回となる本展は、平成最後のTARO賞であるとともに、開催場所である川崎市岡本太郎美術館開館20周年に当たる節目となっている。

 例年通り、岡本太郎の「芸術は爆発だ」という精神を継ぎ、自由な視点と斬新な表現を追求するアーティストを発掘かつ応援しようというものだが、「22世紀を見据えて、 これらのTARO賞がどうようになっていくのかと想像しながら選考しました」(審査員・椹木野衣氏)というように、未来的な展望を予感させる作品に注目して、応募総数416点から25作家が選ばれている。

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 さっそく、展示会場に足を踏み入れると所狭しと巨大な作品が並んでいる様子に圧倒される。TARO賞は、賞歴、学歴、年齢を問わず、美術ジャンルも超えて、応募できるばかりでなく、最大で5メートル立方の空間を展示スペースとして使用できるところが特徴で、その“巨大さ”がTARO賞ならでは醍醐味であると当時に、作家の力量が大いに試されるところでもある。

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岡本太郎賞受賞・檜皮一彦《hiwadrome: type ZERO spec3》

 今回、最優秀となる岡本太郎賞を受賞したのは檜皮(ひわ)一彦。受賞作《hiwadrome: type ZERO spec3》は、車椅子が天井近くにまで積み上げられた立体作品と、そこから光やダンスミュージックが発せられ、遮蔽された展示空間はクラブ空間のようになっている。壁面にはいくつものモニターが配置され、四肢に障害を持つ檜皮自身がもう一人の男性と上半身裸で接触するパフォーマンス映像が流されているインスタレーション作品である。

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岡本太郎賞を受賞した檜皮一彦

 檜皮は、作品のタイトルにもなっている「hiwadrome(ヒワドローム)」を「自分からの一方的な愛なので、皆さんに受け取ってもらえたら嬉しい」と説明した。さらには「過去の作品では自分の身体をテーマにすることは意図的に避けてきたが、ヒワドロームのシリーズでは自分自身を全面に出している」とも語っており、パフォーマンスでは自らスケートボードに乗って場内を滑走するなど、檜皮自身が作品の一部と化している。その様子はまるで檜皮自身が巨大オブジェやインスタレーション空間と融合しているようなSF的未来的なイマジネーションを想起させ、新鮮な驚きに満ちている。

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