「核廃棄物を一瞬で無害化」ノーベル賞科学者の発明はウソか、本当か!? 推進派も反対も完全に勉強不足、これを読んでから物を言え!

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イメージ画像:「Gretty Images」

■実は長い歴史をもつ核変換処理の研究

 核変換処理の研究は1960年代からスタートしている。基本は粒子加速器。巨大なドーナツ形に電磁石を配置し、リニアモーターカーの要領で電気を帯びた素粒子を光速近くまで加速する装置だ。これで陽子を加速させ、陽子ビームを核物質に叩きつけると核物質が壊れてバラバラになり、別の軽い核物質に変化する。軽い核物質は無害化するまでの時間が、重い核物質よりはるかに短いので、何万年も土の中に埋めなくても、すぐにただの無害な金属に変化する。

 理屈は通っているし、このやり方で微量の核変換は成功しているが、原発の廃炉化に使えるかというと別問題。とりあえず、溜まりに溜まったガラス固化体を軽くして量を減らすというのが現実的なミッションだ。

 では、大阪大学レーザー科学研究所などが進めている核変換はというと「レーザー核変換」だという。高出力のレーザーを使って高エネルギーの光子ビームを作り、それを核物質に叩き込んで核変換を起こす。前述の粒子加速器の陽子ビームが、レーザーを使って発生させたガンマ線に代わったと思えばいい。

■乱立する研究、日本がリードして核変換システムの確立を!

 さて、国が進める次世代基盤技術の開発計画、革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)には「核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減・資源化」(PDF)があり、理化学研究所仁科加速器センターや各大学が、共同で核変換システムの開発を行っている。ImPACTでは先に紹介した陽子ビームを使った世界初の核変換に成功しているが、これは原子炉を使って陽子を取り出すという、システムとして非常に大掛かりなものだ。

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