“ダルク入所”経験者が語るダルクの裏側「ただの逃げ道。“蟲が湧く”のは避けられない」

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イメージ画像は「Getty Images」より引用

 A氏は数年前に覚醒剤の所持、使用などで逮捕。その後起訴されて、初犯でお決りの懲役1年6月、執行猶予3年の実刑判決を受けている。

 執行猶予期間は逮捕されずに済んだのだが、前回の逮捕から5年後に、同じ覚醒剤で逮捕されてしまった。

 刑法には定めはないが、5年後の再犯は一般的に準初犯扱いとなる。しかし、覚醒剤という同じ罪の累犯者であるため、実刑判決となる可能性は高い。

 起訴されたA氏には三つの道が残されていた。拘置所に送られて大人しく裁判を待つか、保釈申請をして身辺整理をするか、ダルク・病院などに入り、更生していることを示すかである。

 A氏が入ったダルクは秩序が乱れてまともな生活が送れなかったという。本当に薬物依存から脱却できるような環境ではなかったというのだ。

「昼間はみんな、プログラムに組み込まれているまともな生活を送っています。だけど裏側では薬物の話しか話題がありませんでしたね。共通の話題が薬物だからしょうがないのでしょうけど。僕がいたダルクだけなんでしょうけど、逃げ出した人間が入寮者を手引きして脱走の手助けをしたり、薬物を誘惑したり余計蟲が湧くだけでした」(A氏)

 蟲が湧くとは、覚醒剤などの薬物をやりたい欲求が高まるという意味で、その筋で使われるスラングだ。

 A氏は逮捕される前は事業をやって成功していたために、保釈金やダルクに掛かる費用を出すことができた。しかし、ほとんどの人間は保釈金も準備出来ずに、保釈申請もしないで、拘置施設で裁判を待つ身になるであろう。

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