ダウン症夫婦の“25年間の結婚生活”が証明したもの ― 批判と困難を乗り越えた“無条件の愛の記録”「彼の目の中に私の未来を見た」
■知的障害を持つ人々も幸せな結婚生活を送れる
現在のポールとクリスだが、2人とも健康上の問題を抱えている。クリスは糖尿病を患っており、誓いの再確認の式が行われた8月には入院していたので、この式は病院のチャペルで行われた。
そして、ポールもまたつらい問題に直面している。ポールは認知症を発症し、特別介護が必要な状態となり、現在彼は介護施設で暮らしているのだ。
クリスはポールの施設を頻繁に訪問しているが、夫婦はこの状況に悩んでいる。「クリスは、精神的にもろくなりました。ポールはいつも彼女の支えでしたから」とスーザンは言う。
そして周囲の人間はクリスに、将来ポールが家に戻ってくることはないだろうと伝えなくてはならず、それはクリスにとって大きなショックだった。
今のところポールは、他の人の顔は忘れることはあっても、クリスのことはまだ認識できる。しかし、ポールの認知症は刻々と悪化しつつあり、クリスを認識できなくなる日が来ることは時間の問題といわれるまでに至っている。
ダウン症患者の生活向上と啓蒙活動を行う非営利団体の「21 Connect」の役員で弁護士のエリン・ソブコウスキーは、「結婚は人間の共通した経験であり、人々は愛する人と一緒に過ごしたいという普遍的な願望を持っています」と話す。
そしてポールとクリスは、知的障害を持つ人々も、パートナーと幸せで安定した生活を送れるということの良い証明になると語る。そしてダウン症患者も、自分で自分の人生を設計できる社会にしたいと思い描いている。
それを裏付けるように、クリスの姉スーザンも「彼らは自分たちにとって何が最良なのかを、一番よく知っています」と語る。
ポールとクリスは周囲の反対を乗り越えて結婚し、幸せな生活を築き上げ、誰もが認める幸せをつかんだ。2人の姿はほかのダウン症患者やその家族にとって良き先例であり、また大いなる励ましとなることは間違いないだろう。
参考:「Neon Nettle」、「The Epoch Times」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ダウン症夫婦の“25年間の結婚生活”が証明したもの ― 批判と困難を乗り越えた“無条件の愛の記録”「彼の目の中に私の未来を見た」のページです。結婚、恋愛、ダウン症、三橋ココ、障がい者、介護施設などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで