反原発派に告ぐ「被ばくで鼻血が出た」は健康の証拠だ! 原発事故にまつわる“3つのウソ”を徹底論破!

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イメージ画像:「Gretty Images」

「放射線を浴びたら鼻血が出る」という類の主張は、事故当時から反原発派に散見された。一定以上の放射線が有害であることは指摘するまでもないが、それが鼻血に直結するわけではない。

 雁屋氏のブログには、岐阜環境医学研究所所長の松井英介氏の論として、放射線によって水の分子が切断されてOH(ヒドロキシル)ラジカルとなり、結合して過酸化水素ができ、それが疲労感の原因ではないかと記されている(よく読むと、過酸化水素によって「臓器が傷つく」と表現しており、「鼻血が出る」とは書いてない)。

 たしかに、活性酸素の仲間である過酸化水素は非常に毒性が強い。どのくらい毒かというと、抗がん剤に使われるほどだ。活性酸素で細胞が錆びる、つまり老化するという話を聞いたことがあると思う。一部の抗がん剤は、その活性酸素を使ってがん細胞を死滅させる。薬剤は全身に回るから、抗がん剤を投与すると疲労感に襲われるし、鼻血も出る。

 もしも体内で過酸化水素が抗がん剤と同レベルで大量に発生すると、鼻血が出ることは十分にあり得る。そして、たしかに放射線によってOHラジカルは発生する(放射線分解という)のだが、果たして体内の水分が放射線によって分解し、有害なレベルの過酸化水素を発生するのか?

 実は、低線量の放射線には健康増進効果、具体的には抗がん作用や糖尿病の抑制、老化を遅らせるなどの人体にとって良い影響があるらしい。放射線を浴びた腫瘍細胞が自死(アポトーシスという)して減少したり、腫瘍細胞を排除する免疫機能が上昇するのだそうだ。「ホルミシス効果」というのだが、名前はまだしもこの作用については多くの人が知っているのではないだろうか。

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 日本では、長崎の被爆者を対象とした大規模な疫学調査が行われ、低線量放射線に一定の効果が認められている。原子力技術研究所 低線量放射線研究センターによれば、0.2シーベルト未満では、がんの(種類にもよるが)発生リスクと死亡リスクがともに有意に下がるのだ(「低線量・低線量率放射線の生体影響 ― ヒトの場合:疫学調査から」 電中研レビュー第53号)。このレポートを信じるなら、0.2シーベルト未満の低線量放射線による健康被害はない。それどころか、健康になるのだ。

 福島第一原発の取材可能なエリアでの線量は、高い場所でも150マイクロシーベルト/hらしいので、そこに1週間泊まり込んだとしても累積する線量は25200マイクロシーベルト、つまり0.0252シーベルトである。これは0.2シーベルトのおよそ8分の1だ。ということは、福島第一原発を数時間見学した程度では、健康になることはあっても鼻血は出ないんじゃないかと思うわけだ。もちろん、放射線に対する身体の反応も人それぞれだろうが、仮に鼻血が出たとしたら、それは免疫機能が向上したことによる反応、つまり健康になった証拠といえるかもしれない。

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