日本のホームレスはなぜ、こじき（物ごい行為）をしないのか？ 自ら体験＆取材した結果わかったことがヤバイ＜村田らむ＞

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　実は、軽犯罪法に引っかかるのはこじき行為だけではない。

『軽犯罪法　第一条　四　生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの』

　つまり日本では「働かず、住所を持たない」のは犯罪なのだ。この場合、解釈のしかたによっては、ホームレス生活をしていること自体が犯罪だともとれる。

　ちなみに軽犯罪法が施行される1948年より以前は、浮浪罪と呼ばれていた。

『一定の住居または生業なくして諸方に徘徊する者は、30日未満の拘留に処せられる』

　というかなり幅の広い規定だった。そのため、よく別件逮捕などに悪用された。改定後は、悪用はしづらくはなったものの、あくまで犯罪であることには違いがない。他にも

『軽犯罪法　第一条　二十六　街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者』

　という法律もある。

　つまり立ち小便は犯罪になるのだ。外で生活するホームレスは抵触してしまう可能性が高いだろう。

　軽犯罪法の罰則は『１日以上30日未満の身柄拘束』または『1000円以上１万円未満の金銭徴収』であり、ほとんどは注意されただけで終わる場合が多い。

　ただしやはり犯罪ではあるため、堂々とこじき行為をすることはできない。これが日本のホームレスがこじき行為をしない（できない）理由である。

文＝村田らむ

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