高層ビルが多い地域は「巨大地震」が来ない!? 地震予知を「電気的宇宙論」から解説、雨の日に地震が起きにくい理由も!

 さて、地震の正体が明らかになれば、地震予知ができるかというとそうはうまくいかない。地下の電気の流れを調べる方法が確立されていないからだ。現状では自転速度が変化するピークの前後にM6以上の地震が起きやすいということがわかっているだけだ。また地下の電気は、地上にも現れる。雨や霧は地下から放出される電子が作り出しているが、大地震は雨の日には起きない傾向があるのは、地下の電子が地表に流れたことで、岩盤内部での放電が起こりにくいからだ(雨の降るメカニズムは別の機会に説明したい)。

 では、人間はやはり地震には手も足も出ないのだろうか? 地震を予知することは難しいが、予防することは可能だ。東京都内では、この半世紀ほどの間、大きな地震がほとんど起きていないことをご存知だろうか?

 USGS(アメリカ地質調査所)によると、1960年から現在まで都心付近の陸地を震源とするM4.5以上の地震はたった1回、しかも震源は100kmの地下。

高層ビルが多い地域は「巨大地震」が来ない!? 地震予知を「電気的宇宙論」から解説、雨の日に地震が起きにくい理由も!の画像5
画像は「Google Earth」より引用

 同じ条件で房総半島を調べると10以上の地震が起きていることがわかる。なぜ都心付近で地震が少ないのか? 地震の少なさとはうらはらに都内では局地的豪雨がしばしばある。1時間に100mm以上の雨が降るという極端な気象だ。さきほど少し説明しかけたが、地震につながる電子が地表に流されて、雨になった、というのが都内のゲリラ豪雨の正体なのだ。地下の電子を空中に放出しているのが、ビルに設置された避雷針だ。避雷針はビルの基礎などにつながっているので、深い場所からの電子を空中に放出することができる。とくに高層建築の多い都心付近では、本来地震につながる岩盤にたまった電子を取り除く作用がある。高層建築は知らずに地震の危険を取り除いていたということになる。

高層ビルが多い地域は「巨大地震」が来ない!? 地震予知を「電気的宇宙論」から解説、雨の日に地震が起きにくい理由も!の画像6
画像は「getty images」より引用

 このメカニズムを使えば、地震を予防することが可能だ。地方では、高層建築がほとんどないため、地下深くに接地した避雷針もない。そこで、避雷針を作る場合は、地下100mくらいまでのボーリングを行い、地下深くから電子を解放するようにすればいい。落雷を避けるのではなく、地震を避ける地震避雷針の設置を進めれば、都市部の直下型地震を予防することが可能になるはずだ。これが、電気的宇宙論からみた地震対策である。

文=平清水九十九

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