異種乱交の王者・ボノボは“ゴーストエイプ”ともSEXしていた! ゲノム解析で判明したヤリまくり類人猿のヤバい性態

■ボノボは“好色さでサバイバルした!?

 再び物々しい話にはなるが、たとえ子どもができないにせよ、別の種とセックスすることは可能だ。モラルの問題はさておき、我々の文化の中に“獣姦”という言葉があるのもご存じの通りである。そしてこのボノボは実に“好色”なことでも知られており、別種の動物とも機会があれば盛んに性交を行うといわれている。したがってボノボ系統の交雑の過程は考えられているよりも複雑であることは以前から示唆されているのだ。

 今回の研究結果は、数十万年前の我々の最も身近な“近親者”における複雑な交配の歴史を明らかにするものになった。研究チームによれば、ボノボのゲノムの最大4.8%は“ゴーストエイプ”から引き継いだもので、この時代に存在した豊かな類人猿集団のゲノム情報を示すものになる。

 研究者チームは、ボノボと“ゴーストエイプ”との間の交雑は63万7000年前から37万7000年前の間に起こったと推定している。

 これまでの研究で、ボノボとチンパンジーの祖先は、約200万年前にはすでに枝分かれしていたことが報告されている。おそらくそれまでは枯渇していたアフリカ・コンゴ川に水が流れ始めたことで、チンパンジーが他の類人猿種から切り離されたために、チンパンジーは“ゴーストエイプ”とは交雑しなかったのだと考えられるという。

異種乱交の王者・ボノボはゴーストエイプともSEXしていた! ゲノム解析で判明したヤリまくり類人猿のヤバい性態の画像3
画像は「Wikipedia」より

 この断片的な“ゴーストエイプ”の遺伝子情報が、ボノボの免疫機能、行動特性、生理機能に影響を及ぼしている可能性があり、研究チームは今後も研究を続けることで、化石の分析では不可能な領域に切り込むゲノム解析によって、絶滅した類人猿系統の交配の記録をさらに解明することを思い描いている。種をも超えた貪欲な“好色さ”が今後さらに暴かれていくボノボからすれば、さしずめ浮気がバレたときの気まずさもあるだろう(!?)、その好色さによって今日まで生き延びられているとすれば興味深い限りだ。

参考:「Live Science」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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