人が消える部屋…不動産執行人が遭遇した超ミステリー物件を暴露
リビング中央部分は獣の寝床が如く一部だけゴミが除けられているのだが、ホコリの積もり具合を見てみると、この部分にのみ他と比べ新しさがある。
さらに、人が座っていた痕跡も確認できた。
そして、誰かが座っていたであろう座面の向かい側、座っていたであろう誰かの視線の先には、昔ながらの14インチブラウン管テレビが置いてあり、その画面には作品名不明の映画が音もなく延々と垂れ流されているのだ。
「どこかに隠れてるんですかね……」
ゴミをかき分けながら、声がけや捜索が行われたが、このリビングの一部以外に人の気配はどこにもなかった。
仮に隠れる場所があったとしても水道は止まっている。水道問題を克服していたとしても、部屋中に張り巡らされた蜘蛛の巣を掻い潜りながらの生活には相当な無理があるだろう。
この捜索からリビングの外れに気になる箇所がもう一つ見つかった。
室内全体はゴミ屋敷化しており、生活用品とゴミが混在する状況にあるのだが、ベランダ近くに設けられた背の高い飾り台の上には、とても一人用とは思えないほど、おびただしい数の向精神薬が宝物のように美しく並べて保管されていたのだ。
最終的にこの一室は向精神薬もそのままに、そして映画も延々と垂れ流されたまま、競売開始手続が進められることとなった――。
当該物件の落札者がブローカーではなく個人であった場合、この光景に一体何を思うだろうか。
「メアリー・セレスト号事件」
この最も有名な幽霊船話が、脳裏をよぎることになるのではないだろうか。
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2024.10.02 20:00心霊人が消える部屋…不動産執行人が遭遇した超ミステリー物件を暴露のページです。精神病、ゴミ屋敷、ニポポ、不動産執行、暗黒物件、メアリー・セレスト号事件などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで