不動産執行人は見た! “村八分からの大ドンデン返し”… イジメた側が気づかぬ間に財産を失った、恐るべき復讐劇

【2項道路】(にこうどうろ)

 建築基準法第42条第2項の規定により、「建築基準法上の道路」とみなされる道路幅4m以下の道を指し「みなし道路」とも呼ばれる。

 建築基準法では原則4m以上(6m区域などもあり)の道路に接面しなければいけないとの規定があるのだが、住宅の密集する首都圏では今も4m以下の道路は少なくない。

不動産執行人は見た! 村八分からの大ドンデン返し… イジメた側が気づかぬ間に財産を失った、恐るべき復讐劇の画像1
画像は「getty images」より引用

 

 そのため接道の権利者全員が将来的なセットバック(敷地後退)への了承・同意をすることで「みなし道路」の認定を受けるケースが多く、認定を受けた後は「みなし道路」も道路扱いとなるため、接道の不動産は建築基準法の接道義務を満たすことになる。

 これらは同時に、一人でもセットバックへの了承・同意を拒んだ場合、「みなし道路」の認定が受けられず、接道の不動産全てが建築基準法の接道義務を満たせなくなるということも意味する――。

 車がなくても生活や通勤に不便のない築26年という小さな戸建てが、今回の当該物件。

 せせこましく「みなし道路」接道として建てられた住宅には日照問題もあり、湿気による被害が確認できる。それでも人気の駅からほど近いとあり、付近では同クラス不動産の高額取引事例も多かった。

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画像は「getty images」より引用

 

 当該物件にはカビや苔といった外壁への影響、地盤の悪さからくる基礎部分のヒビなどが確認されたが、これらはさほど価格に影響は及ぼさないだろう。というのも築26年ともなると建物の価値はほぼ考慮されず、土地のみが価値の判断材料とされることが常態化しており、その土地は既に人気が高くある程度の価格が約束されていた。

 このような状況から比較的簡単な案件と考えられていたのだが、債務者に話を聞いてみたところ気になる発言があった。

「後から引っ越してきたくせにゴチャゴチャ言ってきたから、みんなで黙らせてやった」

 債務者曰く“先住民”としての意地と正義、そして誇りがあったようで、隣家との越境トラブルを抱えているという。

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