【あの殺人犯と獄中面会】西口宗宏「堺市資産家連続殺害事件」! 死刑の恐怖に苦しみ、精神安定剤が欠かせず…見た目も劣化!

 私は2014年の夏頃から西口と面会するようになったが、会う前は何より「なぜ、あんな残酷な殺し方をしたのか」ということが気になっていた。その疑問を率直にぶつけたところ、西口は申し訳なさそうにこう言った。

「あの方法は映画かドラマで知りました。刃物で刺したり、首を締めるより怖くないと思ったんです……」

 とはいえ、そもそも、犯罪で金を得るにしても、人を殺す以外に振り込め詐欺など色々方法があったのではないか。

「今思えば、“引ったくり”でもよかったんや、とわかります。でも、当時はあれしか思いつかなかったんです」

 情状鑑定によると、西口は両親と血がつながっておらず、母親に愛されている実感が持てていなかった。そのため、女性に執着する傾向があったという。内縁の女性に見捨てられたくないという思いが西口から思考力を奪っていたようだ。

■絵が唯一の生きがい

 私と面会するようになって以降、西口はずっと体調が悪そうだった。食べても吐いてしまうため、10キロ程度の体重の増減を繰り返していた。

 そんな中、西口は毎日、被害者のために写経と読経をしていたが、自分の心情を描いたイラスト付きの写経はなかなか味わい深かった。やがて絵を描くようになると、腕前がみるみる上がり、死刑囚の表現展で賞をもらうまでになった。私に手紙や葉書をくれる時もいつも自作のイラストが添えられていた。

はがき1枚くれるのにも手の込んだ絵を描いてきた

「ここでは、絵の具を使えないので、色鉛筆を水で溶かし、絵の具のようにして使っているんです。水彩画のように見えたら嬉しいです」

 西口は面会中、絵の話をする時だけは楽しそうだった。罪の意識と死刑の恐怖に苦しむ日々の中、絵を描くことが唯一の生きがいだったのだ。

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