心霊スポット探索のプロが掴んだ“幽霊の正体”を激白! 「絶対に触れてはいけないものがある」怪談ブームにも苦言
田野辺 ネット上には怪談がいろんな形でまとめられていますが、そこで本来、発信側はすごく神経を使わなくてはならない。『現代百物語 新耳袋』はそういう部分に非常に気を使っていて、たとえば語り手の性別を変えるとか、場所や時代を変えるとか、もう絶対に語った人に迷惑をかけないようにしている。本来こじあけてはいけない部分に人々の好奇心が向かうことで問題が起きないように、綿密に調整しているんです。我々は『新耳袋』の著者のお二人に対するリスペクトを決して忘れず取材をしてきたつもりです。
それにしても今は、誰でも心霊スポットに安易な気持ちで行って、「はい、ここまで来ました。今なんか聞こえちゃったよ~」と軽くリアクションするだけで一つのジャンルとして成立してしまう。怪談にとっては由々しき事態です。
山口 先ほど田野辺さんがおっしゃったように、『現代百物語 新耳袋』には呪いとか祟りとか、そういうものを書かない方針があったんです。「牛女」や「八甲田山」も、書いてはいけないところは書かれていない。でも、そういった伏せておかなければならない部分をがんがん扱ってしまうユーチューバーもいる。
それから僕が最近思うのは、怪談師ブームについてです。多くの怪談師たちがいろいろ趣向を凝らしているようですが、呪いや祟りといった部分しか抽出しない“邪悪な怪談”が一部で増えている印象を受けます。怪談本も、まるで「読んだら呪われる」かのように煽ったりと、モラルが低下しているように感じます。
――単純に刺激を求めた結果そうなっているのかもしれませんね。
山口 ただ、その点については我々にも功罪があると思うんです。なのでこれからも、本当のタブーには触れないよう気をつけながらやっていこうと思います。
――ありがとうございます! これからもヤラセなしのガチンコ心霊スポット突撃を期待しています!
いかがだろう。「新耳Gメン」の2人からは「幽霊を撮りたい」という純粋な思いがひしひしと感じられた。幽霊に遭遇するためなら、どんな危険も困難も厭わないという彼らの思いは、まるで純愛のようだ。心の底から怪異を愛し、求め、リスペクトしている。ひたすら刺激だけを追い求めるような昨今の怪談界に欠けているものを、彼らはブレることなく抱き続けているのだ。今後もシリーズを重ねるうちに「新耳Gメン」の思いが成就する時がいつか訪れるだろう。
8月23日から東京・キネカ大森、名古屋・シネマスコーレ、大阪・シアターセブンにて開催されるホラー映画祭「夏のホラー秘宝まつり2019」では、『怪談新耳袋Gメン 孤島編』も上映される。劇場版を観てからDVDを観るか? DVDを観てから劇場を観るか? 酷暑が続くこの夏、『怪談新耳袋Gメン』三昧で贅沢な納涼といこう!
おわり
※ インタビュー前編:新耳袋Gメンが暴露「気が狂うほど恐ろしい心霊スポット2つ」
『怪談新耳袋Gメン 密林編』
DVD大好評発売中!
発売・販売元:キングレコード
¥3,800+税
『怪談新耳Gメン 孤島編』
8月23日(金)より「夏のホラー秘宝まつり2019」にて公開
©2019怪談新耳袋製作委員会 BS-TBS/キングレコード
http://horror-hiho.com/
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2024.10.02 20:00心霊心霊スポット探索のプロが掴んだ“幽霊の正体”を激白! 「絶対に触れてはいけないものがある」怪談ブームにも苦言のページです。幽霊、白神じゅりこ、霊障、怪談新耳袋Gメン、お祓い、祟り、六甲山などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで