心霊スポット探索のプロが掴んだ“幽霊の正体”を激白! 「絶対に触れてはいけないものがある」怪談ブームにも苦言
■幽霊の正体は見抜けたのか!?
――では、何度も心霊スポットに足を運ぶうちに、幽霊の正体について何か掴めましたか?
山口 うーん。僕は懐疑派なので、どちらかというと全部疑ってかかるタイプなんです。幽霊が存在するとは、まだ確証が持てなくて。ただ、けっこう点滅する光や黒い変なものが映り込むことはあるので、我々が知らない“何か”があるのだろうとは思います。
とはいえ、(霊が)人の姿で見えない以上、それが人の幽霊だという理由にはならないかな。ただ、人の声が録れてしまうこともけっこうあって、それは今の僕の理屈で説明できないですけれど。
――お金はかかりますが、音声分析に出されると何かわかるかも。
田野辺 音声分析をやる予算がないです(笑)。
山口 ただ、音声分析にかけたとしても、本当にそこにメンバー以外の誰もいなかったことを立証するのも難しいんですよね……。
■「新耳Gメン」が今の怪談界に物申す!
――まだまだ訪れていない場所もあると思いますが、今後はどこに行きたいですか?
田野辺 『現代百物語 新耳袋』が刊行されて20年以上ずっと読み継がれていますが、そのなかで、マスターピースと言われている大きなポイント「山の牧場」「京都の幽霊マンション」などを僕らは押さえてきました。止めたほうがいいと言われながらも八甲田山にも行きました。これまで何度か候補に挙がっているんですが、まだ行けてないのは六甲山(兵庫県)ですかね。
山口 六甲は、幅が広すぎてどこに行っていいのかわからない。牛女が有名ですが。
――UFO多発地帯でもありますよね。
田野辺 「六甲の牛女」は、『現代百物語 新耳袋』の〈第一夜〉に収録されているのですが、そこにも著者の木原さん、中山さんが敢えて触れていない恐ろしい秘密があるんです。お二人に話をうかがった時に、「とある事情でそれについては書けない」ということをおっしゃっていた。
ところが最近、心霊スポットを回っている人が出した本に、いかにもという筆致で六甲の因縁らしき話が書かれていた。呆れましたね。怪異の起こる場所に恐怖と敬意をもって臨んでいない。僕たちも無茶をやるけれど、そういったデリケートな秘密についてはしっかり仁義を切っています。『現代百物語 新耳袋』が世紀をまたいで読み継がれるロングセラーになったのは、そうした怪談のデリケートな部分と慎重に向き合っているからです。
でも、今はそれくらい心霊スポット探索の敷居が低くなって、怪談が持っている本当の怖さが非常に薄味になってしまっています。動画配信が一般化して、心霊スポットに素人でも行くという状況が当たり前になった今、“触れてはいけないこと”が軽々しく扱われている点には個人的に憤りを感じます。それは、怪談を“壊す”行為にほかならないからです。
――怪談が破壊されていく現状を何とかしないといけないですね。
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2024.10.02 20:00心霊心霊スポット探索のプロが掴んだ“幽霊の正体”を激白! 「絶対に触れてはいけないものがある」怪談ブームにも苦言のページです。幽霊、白神じゅりこ、霊障、怪談新耳袋Gメン、お祓い、祟り、六甲山などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで