朝起きると突然、血が真っ青になった25歳女性!「青い肌の一族・ファゲイト」と同じ症状か… 原因は!?

 後に出た検査結果では、女性の体内のヘモグロビンの44%が影響を受けていたことを明らかにした。もしその割合が50%以上になると、心不全、昏睡、さらには死亡の危険にさらされる可能性があり、「彼女は確かに危険なラインにいました」とウォーレン医師は述べた。

 この女性は点滴でメチレンブルーを2回投与され、翌朝退院した。

「ベンゾカインは、よく使用されている薬です」とウォーレン医師は言う。実際、これに特異な反応をする特定の人々がいるが、本人もそれが自分の身に起こるまでは気付かないということだ。

 ウォーレン医師と別の医師は、その危険性を考慮して、この患者の詳細を公開することに決めた。ウォーレン医師は今後数十年働いても、このような病例を再び見ることはないかもしれないと述べている。

朝起きると突然、血が真っ青になった25歳女性!「青い肌の一族・ファゲイト」と同じ症状か… 原因は!?の画像2
「Science Alert」の記事より

■日本でも症例が確認されている

 この患者の「肌が青くなる」症状は、鎮痛薬ベンゾカインの働きによる後天的なものであった。しかし、遺伝的原因によって肌が青みがかり、血液が黒っぽくなる病気も、稀ではあるが存在する。

 19世紀に実在した、米国の有名な「青い肌の一族」ファゲイト一族には、代々「メトヘモグロビン血症」の遺伝子が伝わっており、一族の半分は青い肌を持っていた。(詳しい記事はこちら)

朝起きると突然、血が真っ青になった25歳女性!「青い肌の一族・ファゲイト」と同じ症状か… 原因は!?の画像3
「Daily Mail」の記事より

 そして、この病気は日本にもあったという。岩手県には古くから「血黒」、「黒子」などと呼ばれる病気の記録が残っている。

「メトヘモグロビン血症」が白人に起きた場合、肌が青っぽく見え、アジア人に起きると肌が黒ずんで見えるらしい。「ファゲイト一族」は奇病としてセンセーショナルな扱いを受けてしまっているが、世界的に見れば、これに似た症例は思いのほか多いのかもしれない。


参考:「Science Alert」、「Daily Mail」、ほか

文=三橋ココ

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