「どこのスパイだ!」竜巻で半壊した家から半狂乱の老婆が…! 不動産執行人が遭遇した怪事件

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「どこのスパイだ!」竜巻で半壊した家から半狂乱の老婆が…! 不動産執行人が遭遇した怪事件の画像1
画像は「getty images」より

 不思議や不可解、おぞましい人間模様に事件・事故の痕跡、ゴミ屋敷、孤独死、占有屋。

 多くの人が避けて通りたがるであろう事案と日々向き合わなければならない、差し押さえ・不動産執行の現場。

 強い磁気に触れる金属が徐々に磁気を帯びていくように、我々不動産執行人もまた、何かを引き寄せてしまう存在になってしまっているのかもしれない。

 そんな思い駆られた事案を一つ紹介したい――。

 遅れていた秋の到来がようやく感じられる、過ごしやすい快晴の日。

 快晴と言っても純粋な秋晴れというものではなく、昨今では“季節外れ”とも言えなくなった台風の首都圏通過がもたらした晴れ間、いわゆる台風一過の住宅街を進んでいる。

 渦中の住宅街は2000年代に入ってから開発された大規模なもの。

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画像は「getty images」より

 都心から、そして最寄り駅からも少々距離はあるものの、生活圏内には飲食店やスーパー、公共施設が充実しており、住環境は良さそうだ。

 日照についてもしっかり考えられているようで各戸の日当たりもよく、敷地の切り分けも広々とゆとりがあるなど、住宅街全体の印象は極めて良好。

 前日までの台風がもたらした風雨による影響が散見されるも、ハイソな住宅街は実に静かだった。突然、身に覚えのない言葉を浴びせかけられるまでは――。

「どこのスパイだ! 調べに来やがったな!」

 聞き取れた部分を要約するとこのような感じだ。

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画像は「getty images」より

 叫んでいるのは推定60代半ばの女性。ぶつぶつと絶え間なく言葉を発し、焦点の合わない視線、付近の住人が窓からひっそりと様子をうかがっていることからも「統合失調症」の疑いが強かった。

 恐らく我々が首からぶら下げている調査機器やカメラ、手にしている筆記用具を目の当たりにし、“調査団”と見て取ったのだろう。

 確かに“調べに来やがった”ことに間違いはないのだが、庭先で叫んでいる女性の家を調査しに来たわけではない。2ブロックほど先の物件だ。

 さらに我々は特段何らかの機関から送り込まれたスパイというわけでもない。

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