「イスラム国」さえテロリストに「欧州渡航を延期せよ」注意勧告! テロ“自粛”へ、しかし東京五輪は開催!?

 ヨーロッパで急拡大を続ける新型コロナウイルスの流行は、イスラム教過激派の活動にも影響を与え始めたようだ。今月、「ISIS」は機関紙で「感染症が広がっている地域に入るべきではない」と警告、感染防止のための咳エチケットやこまめな手洗いを指示した。英「The Sun」(3月15日付)ほかが報じている。

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画像は「The Sun」より引用

JIHAD ENOUGH ISIS warns terrorists to avoid Europe over coronavirus fears as killer ‘plague’ sweeps continent (The Sun)

 ISISの機関紙「al-Naba newsletter」はこれまで、ヨーロッパなど西側諸国への渡航とテロ実行を呼びかけてきた。だが、新型コロナウイルスの流行を受けた最新号では「健康な者は病気の流行地に入るべきではなく、感染した者はそこから動いてはならない」とし、さらに、あくびやくしゃみをするときには口をふさぐことや手洗いなどの感染予防策を徹底するように指示しているのである。イスラム教ではもともと手洗いや沐浴といった行為が推奨されており、疫病を回避すべく、その義務を果たすべきだとしている。

 意外なことではないかもしれないが、ISISは1月ごろから新型コロナウイルスの流行に注目していた。彼らはこの感染症が「神から送られた疫病」であり、イスラム教を弾圧してきた中国への罰だとみなしていた。中国政府は感染者数や死者数を少なく報告していると激しく非難した上、中国から各国へと感染が広がる様子や各国でのパニックを楽しむ様子さえ見せていた。

 しかしながら、新型コロナウイルスの脅威はすでにイスラム諸国にも広がり始めており、特にイランでは今月14日時点で感染者が1万7千人、死者が400人を超えている。衛星写真からイラン北部ゴム市では共同墓地に巨大な穴が掘られていることが確認されており、死者の数はさら増えることが予想されている。少し前にはISIS以外にも「新型コロナウイルスは神の罰であり、イスラム教徒には感染しない」と主張する宗教関係者がいたが、すでに対岸の火事と笑っていられる状況でないのは明白である。

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