頭を3回撃たれても生還した「不死牛」が発見される! 食用ではなくペットとして飼われることに

 不死鳥ならぬ“不死牛”の伝説があるという。そして先日、その伝説の“不死牛”が発見された――。

 

■何度銃撃しても死なない“不死牛”

 タイ・トラン県の村には決して殺すことができない“不死牛”の伝説が語り継がれているという。村長をはじめこの伝説を知る村民は多かったが、これまで誰もその“不死牛”を見ることはなかった。

 しかし先日、その伝説の“不死牛”が現実に現れたのだ。この出来事には村長も驚きを隠せない。

「私はかつて親戚の高齢者から“不死牛”がいると聞かされましたが、本当に“不死牛”がいたことに大きな衝撃を受けました」(村長)

 不死身の牛と聞けば勇猛で筋骨隆々なバッファローのような牛を連想するかもしれないが、今回見つかった“不死牛”はそのイメージには程遠く、優しい目つきをした小型のメスの畜牛である。この牛が不死身であるとはにわかには信じられないだろう。

「Daily Mail」の記事より

 この村に住むソンポーン・ナジンさん(43歳)は、伝統的な宴の場で振る舞われるごちそうの食材として生きたメスの畜牛1頭を購入。そして先日、料理の準備のために殺そうとした。ナジンさんが牛を殺すのはこれが初めてではなく、いつものように22ミリ口径の拳銃を手にして牛の頭部を狙って引き金を引いたのだ。

 しかしなんとこの牛はビクともしなかった。おかしいと思ったナジンさんはさらに2発、拳銃を撃った。だがそれでも牛はピンピンしていたのだ。牛は弾丸をはじき返していたのである。

 見かねたナジンさんの友人は、家からショットガン(散弾銃)を持ち出してきて牛に向けてぶっ放した。

 衝撃で牛は倒れ込み、ようやく“ひと仕事”が終わったかと安堵したのもつかの間、起き上がった牛はどこかへ走り去ってしまったのだ。宴のためのせっかくの“ごちそう”は逃げてしまったのである。

「Daily Mail」の記事より

 

■食材だった牛が“幸運の印”としてペットに

 せっかく一頭買いした牛が逃げてしまい気を落としていたナジンさんだったが、その一件から15日が過ぎ、なんとこの牛が戻ってきたのである。牛は相変わらず元気であったが、身体には散弾銃でついたと思われる傷跡がいくつかみられた。

 不死身の牛の思わぬ“帰還”となったが、ナジンさんはもはや自分の手で屠畜のために殺害する気持ちもなくなり、役所の担当者に連絡した。担当者はこの牛に麻酔銃を撃ち込んで眠らせてから屠畜場に連れて行くというプランを提案したのだが、散弾銃でも死ななかったこの牛には麻酔銃のダーツも刺さることはなかった。

 そしてナジンさんは牛を殺すのを完全に諦め、自宅の庭で放し飼いにすることに決めたという。

「牛がこれだけ多くの弾丸を浴びても生き延びたのは異常です。 私は今、彼女を“幸運の印”として育てたいと思います」(ナジンさん)

「Daily Mail」の記事より

 この牛はタイ語で「幸運な生存者」を意味する「ブーンロッド(Boonrod)」と名づけられ、今はペットとして飼われている。伝説の“不死牛”が思わぬ経緯で見つかったわけだが、今後はこの牛がはたして何歳まで生きるのか気になるところだ。

参考:「Daily Mail」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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