【取材】人間ラブドール開封、覚醒の儀! 「人間ラブドール製造所」がまぼろし博覧会のセーラちゃんとコラボ! えも言われぬエモさに会場騒然!

「セーラちゃんは体験中、『よく動かなかったなあ〜』と思いました。人間ラブドールになってるとき以外は、よく動くパワフルな方で、エンターテイメント性がすごくあるんです。なのに『人形になってこうなって』と言うと、ピタッと止まってその通りになってくれて、なりきれるところが素晴らしく、とても“人形成分”のある方だなあ〜と思いました。製造は普段のメニュー通り行いました。最後はホワイトフラワー(※)も舞いましたよ。セーラちゃんのトレードマークのマスクありとなしを撮影しました。マスクなしのセーラちゃんは激レアだと思います!」(新レイヤさん)

 普段、『人間ラブドール』の製造は、“製造所”で行われている。そのため一般の人が見ることはできない。この日は実際の製造現場で使われている段ボールが持ち込まれた。このシーンを見られた人は超ラッキーだ。

 オープニングアクトの後に行われたのはトークショーだ。この日の出演は、セーラちゃん(まぼろし博覧会館長)に都築響一さん(写真家・編集者)、松永天馬さん(アーバンギャルド)、新レイヤさん(人間ラブドール製造所代表)、齋藤洋平さん(マニアフェスタ事務局)という豪華な面々だ。その途中で、新レイヤさんが撮影した『人間ラブドール:セーラちゃん』の写真が公開されると、誰もがその美しさに声を上げていた。

 そして、トークショーの後は、みんなが待ち望んでいた『お楽しみタイム』に突入する。お相撲さん御用達の巨大パンツをセーラちゃんと2人で履いて歩く『2人2脚パレード』には、沢山のお客さんが参加。「ドスコイ、ドスコイ!」と歩く姿は、とてもカワイイ。お相撲さんのパンツの大きさには、誰もが驚かされている。運動会の早食い競争を真似した『ピラニア合戦』では、紐からパンやパンツ、蛇、う〇こなどがぶら下がっていたが、ハイテンションで食らいつく参加者が多かった。『猫語犬語ニワトリ語会話』では、パンダの着ぐるみを着たパンダさんがパンダを産み落とすシーンがあり、そのぬいぐるみを使った“パンダ会話”が披露された。

 「まぼろし博覧会」の十八番といえば、「お姫様だっこ」だろう。これには、お客さんが殺到。何故ならば、セーラちゃんを抱いて一緒に写真を撮ることができるからだ。会場は、歓喜の渦に包まれてしまった。その後には、紙おむつを履いて抱っこする「おしめ様だっこ」が始まる。大人がおむつを履いて、ステージでパフォーマンスを繰り広げるのは、とても奇妙な光景だ。突然ゲストの天馬氏も参加。会場を笑いの渦に巻き込んでいた。もう2度と見ることのできない(?)セーラーちゃんの“M字開脚”も披露された!!

 「お楽しみタイム」は、まだ終わらない。「セーラー服にキスマーク」では、男性も女性もセーラちゃんの着ている衣装にキスマークをつけていた。この衣装は、後日、「まぼろし博覧会」に展示されるらしい。そして、フィナーレは、「まぼろし音頭 録音会」だ。ここでは、数多くの観客が参加して「まぼろし音頭」を録音した。もう完全なアドリブだった。この曲は、「まぼろし博覧会」で流されるらしい。

 この日、「渋谷LOFT9」には、開演前から長い行列ができていた。イベントが始まると会場はヒートアップして一体となった。珍妙怪奇であり、キモかわでもある祭典は、誰もが楽しめるものになった。あまりにも能天気すぎるイベントは、完全にコロナウィルスに打ち勝っていたと言うことができるだろう(笑)。

(※)性行為の際のティッシュが舞うことを製造所ではホワイトフラワーと称している

 

 

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

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