月は今も生きていて崩壊しそう? 43億年の時を経て現在“闘病中”
月は今も生きていて崩壊しそう? 43億年の時を経て現在“闘病生活中”と判明!
もちろんこの地形は以前から確認されていて、古代に小惑星が衝突してできた衝突盆地の端にあり、いったん溶岩に満たされてから重力で垂れ下がって形成された地形であると説明されている。
しかし今回の研究では、この地形は古代の衝突盆地とは無関係で、この亀裂と隆起には別の説明が求められているとシュルツ氏は指摘している。いったいどういうことなのか。

■月が苦しんでいる43億年間の“闘病生活”
研究チームはデータで明らかになったすべての露出箇所をマッピングし、興味深い相関関係を発見した。
2014年、NASAのGRAILミッションは月の地殻に古代の亀裂のネットワークを発見しているのだが、それらの亀裂は、マグマが月の表面に流れ込んで深く侵入するための入口になった。そして今回発見された岩石が露出した尾根は、探査機GRAILによって明らかにされた深い亀裂とほぼ完全に一致しているように見えるのだ。
「ほぼ1対1に対応する関係です」とシュルツ教授は語る。
「そのため、私たちが見ているのは、月の内部での現象に起因する、現在進行中のプロセスであると考えられるのです」(シュルツ教授)
研究チームはこれらの古代の尾根が今も上向きに隆起していることを示唆している。上向きの動きは表面を破壊し、レゴリスが亀裂や隙間に流れ込み、岩盤が露出したままになる。月面の露出した部分はかなり早くレゴリスに覆い尽くされるため、この亀裂はごく最近のものであり、おそらく今日でも続いているはずであると考えられる。研究チームはこの現象をANTS(Active Nearside Tectonic System)と呼んでいる。
月の裏側の南極付近にある巨大クレーター「南極エイトケン盆地」は、43億年前に月に衝突した巨大岩石によって形成されたものであると考えられているのだが、この時の衝突は衝突地点の反対側の地形にも大きな影響を及ぼしたとされている。
研究チームの以前の研究では、この時の衝突が反対側(地球に面している側)の内部構造を粉砕したことが指摘されている。その後、マグマはこれらの亀裂を埋め、GRAILミッションで検出された地形のネットワークを形成した。ANTSを構成するブロック状の尾根は、これらの古代の脆弱性を修復しようと今日も活動しているという。
「これは、隆起が43億年前に起こった何かに反応したように見えます。巨大な衝撃には長く続く影響があります。月には長い記憶があります。今日私たちが表面に見ているのは、その長い記憶とそれがまだ持っている秘密の証しです」(シュルツ教授)

なんと月は43億年前の“古傷”を癒そうとして今も地殻活動を行っているというのである。月は決して死んだ星などではなく、一度は致命傷を負ったものの、その後今日に至るまで長過ぎる“闘病生活”を送っているということになるのだろうか。我々にとって最も近い天体である月にもまだまだわからないことが数多くありそうだ。
参考:「Mysterious Universe」、「Science Daily」、「Science Alert」ほか
文=仲田しんじ
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