ハチドリはまったく我々が想像もつかない「色」を見ていると判明! 3色スペクトルを超えた未知の世界とは?

人間の目には青・赤・緑に対応する3つの錐体細胞があり、それにより色を認識することができるが、いってしまえば人間の世界は3色だけで成り立っている。ところで、われわれが色と認識しているものは、光の波長にすぎず、あらゆる波長のなかで、人間が認識できる可視光線は極めて狭い領域に限られている。不可視光線には赤外線、紫外線、テレビの電波からX線までさまざまある。
一方、こうした不可視光線を感知できる動物は多く、米プリンストン大学の進化生物学者カスウェル・ストッダード博士は、「人間は鳥や他の多くの動物に比べて色盲である」と語っている。今回、ストッダード博士らは、野生のハチドリが人間には想像さえできないような色を視ていることを実験により明らかにした。科学ニュース「Science Alert」(6月15日付)が報じている。
実験に使用したフトオハチドリの錐体細胞は4つあり、三原色の他に紫外線も知覚できる。ただ、紫外線、紫外線+赤、紫外線+緑、紫外線+黄、紫外線+紫というように5つの非スペクトル色をそれぞれ識別しているかはこれまで分かっていなかった。
そこでストッダード博士らは、上述の非スペクトル色を放つLEDチューブをハチドリの水飲み場の横に設置し、特定の色の横には鳥が好む砂糖水があり、他の色の横には普通の水があるという状況を作り出した。ハチドリが紫外線を含む各種の色を識別しているならば、砂糖水を間違いなく見分けられるようになるはずだ。

そして、3年間にわたってランダムに何千回もの実験を行ったところ、期待通りの結果が得られた。論文共同執筆者のハロルド・アイスター氏は、「紫外線+緑の光と、ただの緑の光は私たちには同じように見えましたが、ハチドリは砂糖水に関連する紫外線+緑の光を正しく選び続けました」と語っている。
人間の目には全く区別不可能な違いだが、実は自然界には非スペクトル色が溢れていることが先行研究で判明している。約1000種の羽毛と約2500種の植物を分析したところ、それぞれ約3分の1が非スペクトル色を含んでいたというのだ。
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