トランプ大統領が主張する 「ディープステート=闇の政府」の正体とは? Qアノン、CIA…ケロッピー前田が徹底検証、コロナ陰謀論を読み解け!

 オーストラリアのSKYニュースが「The Deep State」というドキュメンタリーを作っているので詳しくみてみよう。

 TOCANA読者は、「ディープステート」と聞くと、 どんどん妄想が広がってしまうかも知れない。

 このドキュメンタリーで語られる「ディープステート」は、第二次世界大戦後、米ソ冷戦を背景に1947年に CIA(中央情報局)が作られたところから始まり、1952年に通信諜報活動を専門とするNSA(アメリカ国家安全保障局)が作られ、国内捜査を専門とするFBI(連邦捜査局)などを含めた国家諜報機関を基盤として形成されたとしている。

 国民投票で選ばれる大統領が4年間あるいは8年間(最長2期)の任期で交代していくのに対して、諜報機関に根ざした闇のネットワークは長期的に国家の安全保障と外交、国内の情報操作にも関わり、大統領以上の権力を持って、アメリカという国を支配してきたという。そればかりか、ドナルド・トランプが大統領に就任すると、彼らは一団となって、トランプの活動を妨害し続けてきたのだ。その最も顕著な実例が、トランプを当選させるためにロシアの裏工作があったとする「ロシアゲート(疑惑)」であった。その疑惑はまったくの濡れ衣であったことは今年5月7日に司法省がマイケル・フリン前大統領補佐官に対する偽証罪の起訴を取り下げたことではっきりしている。

 トランプが戦う「ディープステート」は具体的にはどんな裏工作を仕掛けてきたのだろうか?

 SKYニュースのドキュメンタリーでは、「監視活動」「他国への内政干渉」「国内の情報操作」の3点が挙げられている。

「監視活動」は、2001年911テロをきっかけに、ブッシュ(ジュニア)大統領が「テロとの戦い」を高らかに宣言したことから拡大していく。インターネット、スマートフォン、SNSといったIT環境が、アメリカ政府による高度な監視活動を可能にしたのだ。

 2013年、元CIA職員のエドワード・スノーデンがネット監視の実態を暴露している。それによれば、アメリカの諜報機関はビックデータの技術を駆使して、全人類規模の監視活動を行なっているという。そればかりか、個人のプライバシーを保障すべき、グーグル、アップル、フェイスブックなどの企業もこれらの諜報監視活動に協力していることが暴かれた。ドキュメンタリーには、スノーデンに先駆けて、NSAの内部告発者となったトーマス・ドレイクが登場している。

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