トランプ大統領が主張する 「ディープステート=闇の政府」の正体とは? Qアノン、CIA…ケロッピー前田が徹底検証、コロナ陰謀論を読み解け!

画像は「Getty Images」より引用

「他国への内政干渉」は、1953年、CIAの内政干渉によるイラン政府打倒に始まり、南米諸国でのクーデターや反乱グループなどを支援してきた。ドキュメンタリーでは、1963年のケネディ大統領暗殺は、CIAを中心とする諜報機関ネットワークとの対立に原因があったことも示唆されている。
 もちろん、ディープステートによる内政干渉は、その後、世界中に拡大し、中東地域を過酷な戦場に変貌させていく。

 さらに「国内の情報操作」では、アメリカの各種メディアが諜報機関ネットワークの監視下にあることが語られる。付け加えるなら、オバマ前大統領、ヒラリー・クリントンを含む民主党もまた、ディープステートの配下にあるのだ。そして、このドキュメンタリーにおける真の主役であるトランプ大統領の登場となる。

「民主党、メディア、そしてディープステートは、私たちを止めるのに必死なんだ。彼らにとって、私たちが存在すること自体が脅威なのさ。時間はかかるが、私たちは汚いものを洗い流し、見張っていかなきゃならないんだ」

 トランプ大統領はそのようなスピーチをしている。このドキュメンタリーはトランプを礼賛することが目的ではなく、その終盤では、国家の諜報機関に強大な権力を与えてしまっていることについて、「アメリカ国民が決める必要がある」と強調している。

 トランプがいう「アメリカ・ファースト(自国第一主義)」には、世界の警察として他国への内政干渉を続けてきたアメリカがその役割を降りることを含んでいる。そのことで世界の平和が脅かされること以上に、アメリカ自体が他国に戦争を仕掛け、他国の内戦を煽り、多くの人命を犠牲にしてきたことは事実である。

 よく出来たドキュメンタリーだが、ディープステートと呼ばれている諜報機関のネットワークの背後にさらなる司令塔や黒幕がいるのかについては踏み込んではいない。ここでのポイントは、裏工作の実行犯である諜報機関、それと共謀する政治家たちやメディアの姿が具体的に見えてきていることなのだ。

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