コロナ食堂、コロナビール…世界中から918種の「コロナ」を集めた『コロナマニア』が熱い! 著者インタビュー

 岩田さんは、コロナ湯にも足を運んでいる。「業態は、スーパー銭湯なので風情はそれほどありませんが、自粛ムードで貸し切り状態でしたので、のんびりできました。東京方面だと小田原にあります。普段こういうところで遊ばないので新鮮な思いでした」。酒は飲まないのですが、コロナや青島といった薄味ビールは大丈夫です。本書にある通り、輸入ビールのトップということと、コロナ禍でも売り上げを伸ばしたという点は驚きでした。『コロナビールで消毒だ!』といって飲みましょう」と話す。

 元々、「コロナ」というのは、「王冠」という意味だ。そのことから、高貴なイメージがある。太陽コロナのエネルギーを意識したネーミングでもあるので、いい意味しかない。それが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「コロナ」というネーミングがついていたことで、理不尽な目にあってしまった企業や店舗などのショックは計り知れない。年末にかけて、倒産する会社も増えてくることだろう。


 岩田さんの肩書きは、セミリタイアプロ無職。そして、コロナコレクター。得意分野は、抗日ドラマに代表される現代中国における表象文化およびメディア研究や民間風俗。また、日本におけるサブカルチャー、移民文化などだ。著書に『中国抗日ドラマ読本』(パブリブ)もあち、こちらも重版されている。中国文化ウォッチャーでもあるのだ。

 コロナ禍が収束した後、「コロナ」という言葉が持つイメージはどうなっていくのだろうか? 岩田さんは、「もともとビッグワードなのでイメージは回復すると思います。2020年の騒ぎが『何だったんだあれは!?』と黒歴史ネタになるのではないかと踏んでいます」と予想している。

文=酒井透

写真週刊誌「FOCUS」(新潮社/休刊中)編集部カメラマンを経て、現在、秘境・不思議スポット探検家/写真家として活動中。「FOCUS」時代には、逮捕直後の宮崎勤をスクープする。国内はもとより、これまでに50カ国あまりで取材活動を行っている。著書に『中国B級スポットおもしろ大全』(新潮社)、『未来世紀 軍艦島』(ミリオン出版)などがある。最新刊は、『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房/共著)。
Twitter:@toru_sakai

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