島根で超巨大地震が迫っているのか!? ダイオウイカの連続水揚げと地震の関係を専門家に取材、驚きのアンサー!
2021年1月26日、島根県出雲市の沖で体長4mを超える生きたダイオウイカが地元の漁師によって捕獲された。その約1カ月後、2月28日に島根県の沖でまたしてもダイオウイカが発見される。次々と捕獲されるダイオウイカに、SNSでは巨大地震発生を危惧する声が渦巻いている。それもそのはず、古くから深海生物の水揚げが大地震の前兆ではないかと言われてきたからだ。
しかし、実際のところはどうなのか? 大地震とのつながりがあるとして、どんなメカニズムが秘められているというのか? 今回は、地震と巨大海洋生物の関係性について沼津港深海水族館(静岡県)の初代館長を務めた石垣辛二さんに話を聞いた。石垣さんは国内外200以上の水族館と取引を行い、メディアにも多数出演。昨今の深海魚ブームの火付け役でもある深海生物の専門家だ。
■ダイオウイカは昔から海であがっていた?
そんな石垣さんは、地震とダイオウイカについて「関係がない」と断言する。そもそもダイオウイカは、地震に関係なく過去にも何度となく引き揚げられていたそうだ。
「漁師さんの中では、売れるものは港まで持ってくるけど、売れないものは沖まで持ってこないのが暗黙の了解なんです。しかも、ダイオウイカはアンモニアを多く含んでいるため臭くて、市場では値段がつかない。値の高いものは『これだけ獲れたよ』と漁師さんの間では自慢話になって語られるけど、単に珍しいとか見たこともないものに関しては、基本話題にもならないんですよ」
港まで持ってこないから、情報が基本的に伝わらない。これは世界中の漁師に共通して言えることなのだという。
市場ではすでにノドグロ1kg=◯◯円など値段が決まっているのだ。しかし、ダイオウイカには値段がつかず、どこに行っても売れない。苦労して港まで持ってきても漁師にメリットはない。だから、揚がってもすぐに海に逃してしまうのが基本なのだそう。
そして石垣さんは、ダイオウイカの出没場所についても教えてくれた。
「ダイオウイカは主に日本海に揚がることが多く、太平洋には揚がってこないです」
ダイオウイカは5〜10℃くらいの水温の場所に生息するという。過去に水揚げされた記録を挙げても、新潟・富山・島根など日本海側に集中している。
「僕の住んでいる伊豆半島周辺では冬は12℃くらいまでしか水温は下がらないのですが、新潟の方は4〜5℃と低いんです」
しかも、深海生物は水温に敏感で、1〜2℃の差で生息できるかできないか決まってくる。だから、あえて冷たい方を好んで移動し、日本海の方へやって来る。そんな摂理があると、石垣さんは教えてくれた。
そしてもうひとつ、海流の影響もあるそうで、日本海には北から「リマン海流」(寒流)、南から「対馬海流」(暖流)が流れ込んでくる。両者がぶつかると、冷たいリマン海流は重さがあるため対馬海流の下に潜りこむという。結果として、もともと沖縄の方から上がってきた対馬海流にダイオウイカがいた場合、持ち上げられるように浅いほうにやって来てしまうというのだ。さらに冬は西からの風が吹くことが多く、生物が日本海側の沿岸に流れ着く確率が高くなっているようだ。
■「深海生物は地震の予兆」説はどこから?
ではなぜ、古より深海生物と地震に関係性があると伝えられてきたのか。石垣さんはこう答えた。
「ダイオウイカに関しては世界に広く生息しており、古くからヨーロッパでは海の怪物『クラーケン』のモデルとして、船を襲うという伝説があり、おっかないものと人々から認知されています。見た目と大きさからおどろおどろしいイメージを抱かれ、何かあるのではないか? と恐怖を煽るように地震のイメージと関連づけられたことが理由でしょう」
さらに、現代はSNSが普及して、手軽に動画や写真をネット上にアップロードできる時代になった。今まで以上に深海生物の発見は増えるのではないかと予測されるとのこと。
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2024.10.02 20:00心霊島根で超巨大地震が迫っているのか!? ダイオウイカの連続水揚げと地震の関係を専門家に取材、驚きのアンサー!のページです。リュウグウノツカイ、クラーケン、ダイオウイカ、深海魚、地震、島根県、アンモニア、海流、桃沢もちこ、沼津港深海水族館などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで