異世界へのゲートが広島・福山に存在!? 知られざるUMA「蛇円山の大蛇」郷土史に記された50年前の恐すぎる目撃談を暴露!

――超能力、心霊現象、UFO、など、いわゆる「超常現象」分野に深い造詣を持つオカルト研究家・羽仁礼が知られざる奇妙なインシデントを解説!

 UMAという言葉がある。これは、日本の超常現象研究家・南山宏が考案した「Unidentified Mysterious Animal」という和製英語の略で、動物学者の実吉達郎が1976年に、『UMA謎の未確認動物』(スポーツニッポン新聞社出版局)を著してから広まった。以来45年の歳月が流れ、今やUMAという言葉はUFOと同じくらい一般にも普及し、関連書が無数に出版されているし、テレビのバラエティ番組でもUMA特集が組まれることもしばしばである。

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UMA謎の未確認動物

 他方UMAとは本来、ネッシーやヒマラヤの雪男など、目撃報告はあるが実在が未だ確認されていない動物を指すはずなのだが、この種の関連書やテレビ番組では数合わせのためか、あるいは単に奇をてらっているのか、妖怪や都市伝説的存在、さらには明らかに無生物と思われるものまでUMAとしてまとめる傾向にある。

 UMAの正体や実在可能性を真面目に研究しようとする者にとってははなはだ悲しい傾向ではあるが、他方、地方の真面目な郷土史研究家が収集した目撃証言の中には、かなり信頼のおけるUMA情報が見つかることもある。

 蛇円山(じゃえんざん)の大蛇目撃も、こうした事例のひとつである。


■蛇円山の不思議な伝説

 蛇円山は、広島県福山市駅家町の北部にあり、福山市では最高峰である。といっても、標高はわずか545.8メートルの小さな山だ。麓の登山道入り口から、歩いて3時間もあれば頂上まで往復できるほどで、地元の小学校の遠足コースにもなっている。

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山頂からの眺め 画像は「中国新聞デジタル」より引用

 この辺りは、今でこそ小さな田舎町だが、5、6世紀の頃から中国路の中継地となっていたようで、駅家という地名自体、古代の駅伝制度の駅舎があった名残とされている。蛇円山の山頂にも、九州地方に異変が生じたことをリレー式に知らせるための狼煙台が設けられていたらしい。

 蛇円山の頂上には現在、八代竜王をまつる祠があり、山体は大蛇がとぐろ巻いているように見えることから、かつては「龍山」とも「おろち山」とも呼ばれていた。

 このように蛇円山は、その名前からしてヘビに縁があり、実際民話にも大蛇の伝説が伝えられているのだ。

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『蛇円山風土記』(画像提供=羽仁礼)

 蛇円山での大蛇の目撃談は、地元で小学校教諭や駅家町文化財保護委員を務めた吉岡五郎男氏が著した、『蛇円山風土記』(1974年刊)に掲載されている。

 この『蛇円山風土記』には、大蛇の民話からはじまり、著者の吉岡氏が子供時代に聞いた話に加え、大蛇の目撃者から直接聴取した話が採録されている。

 最後の目撃談は昭和44年(1969年)7月7日、三島弘という農業を営む人物が大蛇を見たというものである。

■動く丸太に近づくと……!

 その日は大雨が降り、三島市は山間部にある自分の田が気になって、昼食を終えると鍬や鎌などの農具を入れた籠を背負って山道に入った。すると大きな丸太のような物が、道を横切って置いてあった。

「この雨の中、変ないたずらをする奴がいるもんだ」

と不審に思いながら近づいてみると、丸太のようなものが動いていた。それは大きなヘビの胴体で、十円硬貨大のウロコまではっきり見分けることができた。籠には刃の部分の長さ30センチほどの鍬が入っていたので、それを胴体の横に置いて比べると、その直径は鍬より3センチほど小さいだけであった。つまり直径27センチほどの胴体を持つ巨大なヘビということになる。

 頭の方はもう草むらの中にあったので全体の長さは不明だが、三島氏の目の前を通りすぎた部分だけでも5、6メートルはあったという。

 恐ろしく思いながらも、田の水量を調整し、飼っている牛の飼料として草を少しばかり刈ったが、どうにも恐ろしくなってすぐに帰宅した。

 家で出迎えた三島夫人は、夫の顔色がただ事でないことに気付いた。夫から大蛇を見たのだと聞くと夫人は、大蛇の這っていった方向に知り合いの田があることを思いだした。直ちに、当時町にあった有線電話でこのことを知人に知らせ、危ないから田には行かないよう伝えた。

 翌日、三島夫人が近所の住民と一緒に現場を見に行くと、地面には大蛇の這った跡のようなくぼみが、一本の筋となって残っており、草もヘビが向かった方向に倒れていた。

 ところが話はこれで終わらなかった。三島氏の祖母がこの話を聞くと、なんと自分も大蛇を見たことがあると白状したのだ。

■異世界へのゲートがあるのか!?

 祖母によると、以前付近の畑で仕事中大きなヘビがとぐろを巻いているのを見たというのだ。気丈な祖母は、その時

「ここはおまえの出るところではない。人目のつかん処へ帰れ」

と、手を振りながら言うと、大蛇は静かに山の中に入っていったという。

 この三島氏の目撃談については、『蛇円山風土記』の著者・吉岡氏が直接聴取しており、とてもウソをついているようには見えなかったという。少なくとも、三島氏も吉岡氏も、奇をてらった話をして人の注目を引こうとするような人物ではないことは確かで、目撃も事実としか思えない。

 他方、人の出入りもかなりある小高い山に、このような大蛇が近年まで生き続けていたということがあり得るのだろうか、との疑問も生じる。化石標本を調べてみても、日本にはアオダイショウよりも巨大なヘビが棲息していた形跡はない。とするとこの大蛇は、通常の生物学の常識が通用しない代替生命圏から、なにかの拍子に我々の世界に紛れ込んだという可能性も考えられる。蛇円山で何度も大蛇が目撃されているという事実を踏まえると、この山に異世界へのゲートがあるのかもしれない。

文=羽仁礼

一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員、 TOCANA上席研究員、ノンフィクション作家、占星術研究家、 中東研究家、元外交官。著書に『図解 UFO (F‐Files No.14)』(新紀元社、桜井 慎太郎名義)、『世界のオカルト遺産 調べてきました』(彩図社、松岡信宏名義)ほか多数。
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