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中指立てても、チンポは立たず！ 55歳ヘヴィメタル界No.1の酒乱・屍忌蛇が「酒のやらかし・コロナ・セックス」を語る！

2021.06.30 18:00

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――まあなんにせよ、コロナ禍の今、自宅でできる趣味を持つのはいいことですね。

屍忌蛇　結局、物作りが好きなんですよ。音楽にしても何にしても、世界に一つしかないものを作り上げるのが好きで。

――本業である音楽への情熱はいかがでしょう？

屍忌蛇　最近は、ブルースの研究を続けています。ヘビメタは様式美の世界で、きっちり設計図が描かれている。一方、ブルースって、アドリブの世界なんですよ。そのブルースのイズムをメタルにも取り入れたいと思って、日夜、動画や教本を見漁ってます。そうすればまた、表現の幅も広がるんじゃないかと。

　ちょうどブルースにハマり出した頃に世界中がコロナになったんですよ。ヘビメタってモッシュやサークルがあって、“スーパー密”が起きやすい音楽だけど、ブルースなら客席でもソーシャルディスタンスを保てる。赤坂とか六本木とかのバーでも通用するんじゃないか？　っていう計算も実はあります。もしかしたら近々、VOLCANO以外のバンドを組むかもしれません。

　ブルースをやろうが、ジャズをやろうが、常にミュージシャンでいたい。その思いは、どんなに酔っていても変わらないですね。

――そこは真摯なんですね。

屍忌蛇　明日は何をしよう、ってことが大事でね。過去は過去で、酒の場でやらかしたこと思い出すこともあるけど……、あれって一生消えないよね。夜になると、思い出す。あのときあの人に悪いことしたなぁ……と。でも酒を飲むと、「ま、いいか」となる（笑）。

――酒の場での最大のやらかしを教えてください。

屍忌蛇　20年ぐらい前の話で、もう時効だろうから言うけど、アニメタルというバンドをやってた頃、元ピンク・レディーのミーちゃんにお世話になりまして。彼女の誕生会を、カフェバーを借り切って開くことになったんですよ。僕も招待されて、行くことになったんだけど、前日から徹夜で歌舞伎町で飲んでたから、ベロベロの状態。しかも、酔った勢いで、招待されてもいない飲み友達まで勝手に会場へ連れて行っちゃったんですよ。

　その時点で人としてダメなんだけど、いざ会場に入ったら、すごくオシャレな雰囲気で。有名な歌手や俳優さんも大勢いらっしゃる中、事務所の社長さんかなんかが挨拶をしてたんですよ。そこで僕、何をトチ狂ったか、こんなことを叫んでしまったんです。「うっせえジジイ！　御託はいいからスッこんでろ！　この野郎！」と。

――なんということを……。

屍忌蛇　そしたら会場がシーンと静まり返って、ミーちゃんのマネージャーさんが顔色を変えてすっ飛んできて。「屍忌蛇さん、ちょっと外の空気でも吸いましょうか」と耳打ちしてきた。結局、僕はそのまま会場の外へ連れ出されて、タクシーの中に放り込まれてしまいました。ミーちゃんと会ったのは、その日が最後です。合わせる顔がなくて……。

――自業自得ですね。

その一件が起きる前、ミーの自宅で飲み会をしたときに、真っ白でフカフカな高級じゅうたんに赤ワインをこぼしたこともあるという。

屍忌蛇　もう一つ、大きなやらかしがあります。そのときも僕、泥酔状態だったんだけど、かつて所属していたGargoyleというバンドのライブを見に行ったんです。韓国帰りだったから、韓国海苔の手土産を持ってね。で、いざ会場に入ったはいいけど、ベロベロに酔っていたから、2階席の最前列で、うっかり寝てしまったんですよ。

　目覚めたら、ボーカルのKIBAくんがちょうどMCの最中だったので、僕は「聞こえへんから、ちゃんと喋れ！」と大声で野次ってしまったんです。そしたらローディ−が飛んできて、「静かにしてください」と注意してきたから、「てめえ、誰に口きいてんだ？」とやり返してしまいました。このときも結局、バンド界の大先輩に首根っこを掴まれて、タクシーに放り込まれた。以来、Gargoyleのメンバーたちとは何十年も疎遠になってしまいました。

――韓国海苔を持っていく優しさがあるのに、どうしてそんな非道いことを言ってしまうのでしょう……。

屍忌蛇　酒を飲むと、傷付けるつもりはなかったのに、口が滑って誰かを傷付けてしまうことがある。僕の人生、その繰り返し。みなさん、僕の話を聞いて、「自分のほうがまだマシだ」と思うんちゃいます？　そういう意味で、僕は人々に勇気を与える存在なのかもしれません。「屍忌蛇という“やらかしキング”がいるから、俺の過ちなんてたいしたことないよ」と。