世界のLGBT運動に革命を起こした「ローラリーナ」が本当に伝えたかったこと ― 社会に魔法をかけた“妖精”の真実

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　しかし、そんなシニカルな連中を尻目に、福音をもたらす魔法の杖を振り回しては「あなたがお持ちの株が大化けしますように」と茶目っ気たっぷりに優雅なダンスを披露するローラリーナ。我利我利亡者の金融マンより、ずっとヒューマンだろう。

　また、LGBTQがタブーとされた70年代らしく「目の前にいるあなたって男？ 女？ ハッキリ聞くけど」と、21世紀のLGBTアクティビストが聞いたら卒倒するくらいストレートな質問にも、ローラリーナは涼しい顔で答える。「私は私よ。ただ、2つの人生を生きてるってこと」と、微笑む。

　1973年のイースターパレードで「ローラー・アリーナ・ザ・フェアリー・ゴッドマザー」として正式デビュー後は、マンハッタンの有名ローラー・ディスコ「ロキシー」や「スタジオ54」で人気を博し、知名度が上がるにつれテレビやラジオで紹介されるようになり、さまざまなイベントに出演してはLGBTQの市民権運動を支えてきた。毎年のゲイ・プライド・マーチには今も参加を続けているそうだ。

　たった半世紀で、LGBTQムーヴメントはニューヨーカーたちの意識に変化をもたらした。もちろん、お互いの存在に寛容となり、共生を実現するまでには、今後も時間がかかるのだろうが。ちなみに、ローラリーナ嬢、自身のことをドラァグクイーンとは思っていないそう。御年73歳で、あいかわらずゴージャスなおばさま。ますますお元気で！

参考：「The Center」、ほか

文＝佐藤Kay

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