中国政府が「リンゴ日報」廃刊させて“本当に隠したかったこと”とは!? 日本にも影響…言論弾圧の裏にある“もう一つの超重大案件”

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画像は「Getty Images」より引用

 ヨーロッパの議会が、香港やチベット、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区などの人権状況が改善されなければ、来年の北京冬季オリンピックをボイコットするよう加盟国に勧告する決議案を成立させた。議員は賛成が578人、反対が29人、棄権が73人で可決となった。

 決議案の成立に大きな影響を及ぼしたのは、香港メディア、リンゴ日報(蘋果日報)が6月24日付で強制廃刊にされたことだ。中国共産党が香港議会を介さずに昨年導入した国家安全維持法によって、政府批判を「テロ行為」と見なせば最高で終身刑を科すことができるようになり、中国政府に批判的な記者が次々逮捕され資産も凍結されるなどし、発行が不可能になった。6月23日には社の取締役会に警官が乱入、26年の歴史に幕を下ろすことになった。

 香港在住20年以上で同紙を支持してきた中華系マレーシア人の不動産会社経営、リー・ミョシ氏によると「もとは反政府の新聞ではなく、下品な芸能ゴシップの色合いが強かったのだが、習近平政権でマスコミ弾圧が強くなったことで、他の新聞じゃ書きにくい政府批判も行うようになって人気を博した」という。

 しかし、香港のキャリー・ラム行政長官は、6月22日の記者会見で「報道は国家の安全を危害に晒すものであってはならない。報道の自由を隠れ蓑にすべきではない」と、同紙を危険分子扱いした。これは欧米の民主社会から見れば、一国二制度によって保障されてきた香港の「言論の自由」が崩壊したといえる話だ。

 そもそも中国ではGoogleやFacebook、YouTube、Twitterなど世界的なウェブサービスやSNSの利用が規制されるなど情報統制がある。実際のところはVPNアプリなどを使って規制を回避することでそれらを閲覧している人も多いが、その場合、アクセス元の国名は「シンガポール」、「日本」、「インドネシア」など(経由地の)国名となる。そうして世界に発信された中国人や香港人の言葉からは、ストレートに報道規制への賛否を見て取れる。「中国は大好きだけど、中国政府は嫌い」と言う人もいれば、「問題はあっても中国を大国にしているのは現政府」と言う人もいる。ただ、ビジネスで成功した富裕層などは、グローバル視点でモノを見られるせいか中国政府に厳しい意見を持っていることが珍しくない。

 そんな反政府的な考えを胸に秘めた中国人たちの間から聞かれるのが、「リンゴ日報の問題で本当に隠したかったのは、原発事故」という見方だ。

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