動物愛護管理センターが「殺処分センター」化していた!? 里親が決まった犬猫まで… 徳島県の大炎上案件を取材、悲劇の“本当の原因”は?

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イメージ画像:「Getty Images」

 なお、「センターは立て続けに殺処分する」という批判については、保護された犬猫が病気に感染している、怪我をして苦痛を伴っている等の場合には、長期間保護せず処分せざるを得ないこともあるという。だが、藤本氏が主張するように予算の問題からレントゲンが壊れていたり医療設備に限界があると、誤診も起こるかもしれない。

 また、インタビューで受けた印象とHPを見る限りは、年1500頭以上の犬猫がセンターに収容され、限りある予算と人件費・収容スペースの中で頑張っているようにも見える。センターは予算を増やし、より多くの犬猫を助けるために令和元年にクラウドファンディンクを実施。その結果、前年より200頭以上多い犬猫の譲渡に成功し、開所した平成15年と比べ殺処分も10分の1に減っている。

 筆者の印象ではあるが、ヨンナナも徳島動物愛護管理センターも、両者がそれぞれ動物愛護と正義感を持って日々活動しているにもかかわらず、互いの立場や活動形体の相違、法律・規律の制限なども絡んだ理解不足により今回の件に至ってしまったようにも思える。

 むしろ、筆者が懸念するのは、この件を機にセンターと保護団体が対立関係となり、助かる可能性のある命がその機会を逃すことがあるのではないかという点だ。そもそも責めるべきは、長年に渡り動物愛護問題に本腰を入れてこなかった行政と、命をもののように考えている無責任な飼い主ではないだろうか。

 現在もヨンナナと徳島動物愛護管理センターは、それそれの立場で動物保護活動を精力的に行っている。また本件の後、徳島動物愛護センターはHP上でSNSにおける誹謗中傷に対して一件一件に丁寧に回答を掲載したり、情報の透明性という点においてもさらなる努力をしており、無事に活動できているようだ。行政と愛護団体のすれ違いがなくなり、両者がよりよく連携し、そして何よりも飼い主一人ひとりの意識が高まり、徳島県を含め日本の全自治体が殺処分ゼロになることを願う。

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文=深月ユリア

ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表。『世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに』(明窓出版)大好評発売中!
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