凧揚げで伝えられた暗号の“本当の目的”とは!? 西日本の寒村で受け継がれた奥深き凧文化を取材!
【日本奇習紀行シリーズ 西日本】
世の中で日々行われている男女の逢瀬に際しては、実に様々な形で連絡がなされるもので、それが“秘せる恋”ともなると、傍目にはそれと解らぬ形で、連絡し合うケースも珍しくない。
「今の人からしたらなんでそんな面倒なことをやるのかって思われるだろうね」
かつて西日本のとある田園地帯を中心に行われていたという、一風変わった男女の逢引き方法についてそう語り始めたのは、当地で生ま育ち、現在もなお、細々と農業を営んでいるという山並禄郎さん(仮名・84)。なんでも山並さんの話によると、現代のようにインターネットや携帯電話といった便利な連絡手段がなかった時代、当地の男女たちは“あるもの”を使って連絡していたという。
「凧よ、凧。正月なんかに上げる凧。あれをね、あげてさ、連絡しあうの」
今や凧といえば、多くの人々にとって正月の風物詩としてしか捉えられていないであろう代物だが、当地の男女たちは逢引きをする際に凧を上げあい、待ち合わせ場所や時間などをやりとりしていたというのだ。
「バランスをとるために、タコに足をつけるでしょ。あれの色を変えたり、組み合わせて意味を持たせてね。それをお互いに把握していて連絡しあってたというわけ。だからその意味を知らない連中に見られてもわからないっていう」
タコにつけた色紙の配色などに意味を持たせ、その意味をわからぬ者には伝わらないある種の暗号として用いていたという当地の“凧文化”。しかしそもそも凧を上げている時点で目立ちそうなものなのだが……。
「この辺はね、今じゃ誰もしないけど、昔は凧づくりが盛んでね。みんな野良仕事の合間に、家族総出でこさえては売って小遣い稼ぎをしてたのよ。だから1年中、テストに凧を上げるし、数も多いから、その中に紛れてやってたというわけよ」
その後、凧づくりが廃れると共に、姿を消していったという、当地のこの習慣。その用途が男女の色恋であるとはいえ、長閑な時代ならではの趣を感じさせる話といえそうだ。
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2024.10.02 20:00心霊凧揚げで伝えられた暗号の“本当の目的”とは!? 西日本の寒村で受け継がれた奥深き凧文化を取材!のページです。奇習、暗号、凧、日本奇習紀行、西日本、逢瀬などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで