日本語を話すと平和主義者になる!? 外国人学習者の性格が別人に変貌、自然音に情緒を見出し… 誇らしすぎる新事実!(インタビュー)
人の性格や考え方・価値観は千差万別だ。それは、遺伝や歩んできた人生経験によって形成されるアイデンティティーでもあるが、世界のそれぞれの国によって、ある程度、性格や考え方・価値観の特徴が決まってくるという。一説には、それは各国で話される言語によって脳の働きが規定される部分があるからだという。
例えば、日本人の国民性として一般的に「和をもって尊しとなす」と考える傾向が見られ、平和的で争いを好まず、曖昧な表現を好んで使い、Yes・Noをハッキリ示さないと言われる。それに比べて欧米人はYes・Noでしっかり自己主張をする個人主義で、キリスト教的な善悪二元論で理解したがる傾向があるようだ。このような特徴の背景に、その国で話されている言葉の影響があるというのか?
真相探るため筆者は、工学博士で(株)脳力開発研究所相談役でもある脳波研究の第一人者、志賀一雅氏に取材を行った。
■日本語は左脳で話す!?
――よろしくお願いいたします。まず、日本人の脳の特徴とはどのようなものでしょうか?
志賀一雅氏(以下、志賀) 私は日本語脳こそが平和的な国民性を形成すると考えております。日本語脳とは、日本語を話すことでできる脳です。日本語ほど曖昧で融通がきく言語はありません。例えば「いいえ」という言葉が、時と場合に応じて「はい」を意味する場合もありますよね。英語は『No』と言ったら、はっきりとした拒絶を意味します。
――曖昧さこそが争いを避けて平和をもたらすのですね!? 日本人の遺伝子のみならず、言語そのものが影響しているのですか?
志賀 同じ日本人でも、海外で生まれ育って日本語以外の言語を母語にしている方は日本語脳にはなりません。5歳くらいまでに日本語が母語として固まると日本語脳になるようです。
――なるほど。他に特徴はありますか?
志賀 日本語を使うと、左脳の働きが活性化するようです。日本人は古来より生活文化に自然を取り入れてきて、自然の音を聴くときにも左脳を働かせます。多くの日本人にとって虫の鳴き声が心地よく聞こえますが、欧米人にはやかましく聞こえる理由もそこにあります。日本文化で川の流れる音は「清らかで神聖なもの」とされますが、欧米では一つの自然現象にすぎません。また、日本人はハミングのメロディを左脳で「言語」と同じように捉えていますが、欧米人は右脳で単なる「音」として捉えるのです。
■日本語を学ぶ外国人や留学生に衝撃的変化!
通説として、左脳は言語や論理的思考力を、右脳は音楽や芸術・空間認識能力などを司るとされる。日本語を使うことで左脳の働きが活性化するなら、日本人は左脳優位の性格になるということだろうか。しかし、日本人は欧米人と比べて「空気を読む」力に長けるとされ、そこに関わってくる感情表現や共感力は右脳が司っているはず。そう考えると、必ずしも左脳優位型の特徴のみを具えているわけではなさそうだ。つまり、欧米で発展した心理学・脳科学の理論は、日本語脳には必ずしも当てはまらないということだ。
著名な医学者、角田忠信氏の著書『日本人の脳』(大修館書店)によると、日本語脳は左脳の役割が“増える”ようで、欧米人が右脳で認識す母音や自然の音まで左脳で認識されるという。そして、森羅万象を尊び、自然界の音に情緒や文学性を感じるのは、この日本語脳に由縁するものだという。小津安二郎監督の映画で主人公の心象を表すように鳴くヒグラシの声を、アメリカ人が「うるさい」と言ったというのは有名な話だが、同様の特性を持つのは日本語人とポリネシア語系の言語で育った人の脳だけだという。
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