1年のうち300日寝てしまう謎の病気の男! インタビュー中もまぶたが垂れ下がり…覚醒してる日は全力で生きる!?
北インドのラージャスターン州西部、ナガウル地区に住むプルカラームさん(42歳)は、きわめて不条理な病に冒されている。なんと1年に300日、ときには20~25日間ぶっ通しで眠り続ける生活を強いられているのだ。
■眠り続ける奇病「HPA軸過眠症」
一見、“普通に眠っているだけ”に見えてしまうため、その深刻さは理解されにくい。だが、眠りこけているプルカラームさんの身体を拭いたり食事させたりと、つきっきりで世話しなければならない家族にしてみれば、耐え難いカルマに他ならないだろう。
とはいえ、プルカラームさんの愛されキャラのおかげで、村全体が一丸となって家を支えているという。プルカラームさん本人も、なんとか覚醒してる月5日程度は小さな食料品店を営むことで自助努力してるそうだ。しかし、最近はそれさえつらくなり、5、6月は店を開けることすらできなかったと嘆く。
「23年前です、私が睡眠のトラブルに気づき、医者に診てもらったのは。そこで、この奇病を診断されました。以来、睡魔が私の健康状態やライフスタイル全般を支配しています。一旦寝入ってしまうと、どうやっても起きれなくなるんです」(プルカラームさん)
一般的に、人は1日約6.5~8時間の睡眠をとる。ところが、プルカラームさんの場合は、昼寝でもしようものなら一気に20日以上も寝込んでしまうというから恐ろしい。彼が苦しんでいるのは「HPA軸過眠症(Hypothalamic pituitary adrenal axis hypersomnia)」と呼ばれる深刻な睡眠障害であり、精神疾患だ。睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシー、特発性過眠症など、過度の眠気を伴う疾患に関連するTNF-alphaと呼ばれる脳内タンパク質の変動により引き起こされると、専門家は考えている。
現在、プルカラームさんの病状は悪化の一途をたどっており、家族の話では初期の頃は一度に7~8日くらい眠っていたのが、今では2、3ヶ月寝たきりも珍しくなくなってきているという。インタビュー中も、まぶたが垂れ下がり、眠たそうに見える。その他、重度の頭痛と倦怠感に悩まされているらしく、なんとも気の毒な限りだ。
「きわめて珍しい病気で10億人に1人の発症率です。精神的な要因以外にも、古い腫瘍や過去に被った頭部の怪我、薬物の乱用も考えられます。治療は原因さえわかれば可能でしょう」(バーマ・ラム・ジャンギッド医師)
つまり、今のところ手の施しようがない、と。まさに、医者がサジを投げた状態だ。
不眠症もしんどいが、寝すぎるために生産性がほとんどない人生もかなりツライ。コロナ禍で安眠が脅かされている今、ぐっすり眠り、心地よく目覚めるというのは、当たり前のようでいて、実は最高に贅沢でありがたいことなのかもしれない。プルカラームさんが一日も早く、自分で睡眠をコントロールでき、人並みな暮らしに戻れることを祈りたい。
参考:「Mysterious Universe」、「Republicworld.com」ほか
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