コロナ禍でゴキブリをみかけなくなった理由! 危険察知度が異常に進化、能力はiPhone9900並みか
コロナ禍で大半の時間を自宅で過ごす社会人が激増している。そんな人々の間で“ある問題”について囁く人が増えているように感じるのは筆者だけか? いや正確にいえば問題が起きないことが話題になっている。ゴキブリをみかけないのだ。特に都市部でそういった現象が噂になり始めている。
狭い家の中に家族が揃ってずっと居続けているのだから、普段よりもゴキブリをみかける頻度は高くなるはずだ。ところが実際は逆なのだ。家族のひとりだけが自宅にいて台所でゴキブリを発見して「キャーっ」と叫んでいた昔と比べると、家族みんなが自宅にいるのにゴキブリを発見する頻度が減っている。ひとりで監視しているときよりも4人で監視するようになったときのほうが発見率が極端に低いというのは不思議なことだというわけだ。
実はこの現象、不思議でもなんでもない。ゴキブリは危険察知度が異常に進化しているのだ。
そもそもゴキブリは一匹みかけたらその30倍はいる。にもかかわらずあまり見かけないのは、ふだん人が台所にいるときにはゴキブリは冷蔵庫の裏や排水管の中などにじっと隠れているからである。
ちなみに最近、家庭内にもWebカメラが置かれるようになったが台所には設置しないほうがいい。家族がいないときにどれだけ彼らが出現するかを見ると食欲がなくなるはずだ。
犬の嗅覚がすぐれていて飼い主が玄関の近くまで歩いてくるだけでその匂いを察知して玄関まで迎えにくる現象は知られている。ゴキブリはその逆で家の中の人間が近くにいるときにはけっして物陰から出てこない。うっかり出てくるのはたいがい年老いた個体だ。
さらにゴキブリが本当に凄いのは万が一家族とばったり出くわしたときだ。危険察知モードが最上級に切り上がりゴキブリは全力で危機を回避しようとする。このときのゴキブリのIQは瞬間的に340と人間を数倍上回るという。これは、米国のデトロイト生体科学研究所での報告だ。
なぜゴキブリのIQがそれほど高いのか、少し考えてみたい。実は人類は出現してからまだ400万年しかたっていないが、ゴキブリが地球に出現したのは3億年前の石炭紀である。ゴキブリの方が人類よりもはるかに長い期間、進化し続けている。iPhoneで言えば外見はそっくりでも石炭紀のゴキブリがiPhone12ぐらいだとすれば現代のゴキブリはiPhone9900ぐらいの性能をもっている。
ゴキブリはアリやハチのように社会を構成しない。大きな巣をつくって定住するよりも、個として移動生活したほうが生き延びやすいことを進化の過程で選んだのだ。アリやハチを農耕民族に例えれば、ゴキブリは移住を前提に進化した種だといえる。
ゴキブリは個体でも危機察知回数をカウントしているが、群体としてはフェロモンを交換しあってより危機察知回数の低い住処へと移動する。これがコロナ禍でゴキブリをみかけなくなった理由である。
コロナ禍で自宅作業をする社会人が増え、家の中の人間密度があがる。結果、ゴキブリにとって一日の中での危機察知回数が増える。するとゴキブリは下水管ですれ違う仲間とその情報を交換してより危機感知回数の低い場所へと移動していく。
今、都市部では住宅地のゴキブリの数が減り、主な密集生息地はオフィス街に移ってきているらしい。
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