【実録】タイの観光ホテルで起きた超ヤバい「金縛り」事件とは!? 耳元で声、不審な従業員、カップルの幽霊に挟まれ…!
マーイさんは恐怖のどん底へ突き落とされた。ファランの男とイサーンの女、2人の幽霊に囲まれているのだ。逃げようにも身体の自由は奪われたまま、声も出せない。彼女は縋るように覚えている限りの御経を唱えた。
ナモータサパカワトーアラハトーサンマーサプッタサ……
心の中で何回も唱え続けた。一心に念じていると、1回目の金縛りの時のように、身体がふと軽くなるのがわかった。
「今だ!!」とばかりに飛び起きた彼女はスマホだけを掴んで部屋を出てロビーに走り込む。ターさんに電話をしようかとも思ったが、彼はきっと仕事中だろう。とりあえず、ロビーで彼の帰りをじっと待つことにした。そんな彼女をホテルのスタッフは「やはりな」と言わんばかりに怪訝そうに見つめている。とにかく早くこのホテルから出たい。
「チェックアウトの時間までに戻れそうにない」待ちわびたターさんから電話は無情なものだった。もう一度ひとりであの部屋に戻り、荷物を整理しなくてはならない。勇気を振りしぼりドアを開ける。昨日の到着時とはまるで違う空気が感じられる。とにかく目の前の荷物だけに集中し、急いでカバンに詰めるしかない。
時々マーイさんの顔に生暖かい風が当たる。エアコンは消している。外から風が入ってくることはない。あの2人の幽霊に顔を撫でられているイメージが頭から離れない。半狂乱になりながら、再びお経を唱えて荷物を詰め終わり、やっと部屋を出た。
その後、チェックアウトを済ませ、カフェで恋人の帰りを待った。ターさんに事情を説明した彼女は、帰り際、近くのお寺にお詣りに行くことにした。そうでないと、バンコクまで無事に戻れないような気がしたからだ。
以上がマーイさんがカンチャナブリーで体験した出来事である。「ファランの男とイサーンの女」の幽霊と聞いて、ふと気づく。その2人は生前、マーイさんとターさん同様、恋人同士だったのではないだろうか。そしてカンチャナブリー旅行した際に、同じホテルを利用したのかもしれない。何が起きたかを調べる術はない。しかし、命を落としてからも仲睦まじく、その部屋で次の客を待ち構えているのではないか。「ファランの男とイサーンの女」、私にはそんな2人の姿が目に浮かんだ。
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2024.10.02 20:00心霊【実録】タイの観光ホテルで起きた超ヤバい「金縛り」事件とは!? 耳元で声、不審な従業員、カップルの幽霊に挟まれ…!のページです。幽霊、カップル、怪談、金縛り、ホテル、タイホラー通信などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで