【手術映像】世界初、ブタの腎臓をヒトに移植成功、公開された映像が本気でヤバい!=米
再生医療や人工臓器がまだ十分に実用的ではない現在では、臓器を失った患者の多くが臓器移植を希望する。しかし、ドナー不足は深刻な問題であり、移植が間に合わない患者も後を絶たない。これを解決するため、ブタの臓器をヒトの体に移植することが注目されている。
米国の外科チームが先月、ブタの腎臓を初めてヒトに移植することに成功した。英紙「The Daily Mail」などが伝えた。報道によると、移植された腎臓は免疫系による拒絶反応を引き起こすことなく、老廃物を濾過し、尿を生成するという想定通りの機能を実現したという。
ニューヨークのNYU Langone Healthで実施された手術では、脳死した女性患者(54)の体に、遺伝子組み換えしたブタの腎臓が移植された。患者には腎臓機能障害があり、彼女が生命維持装置から外される前に家族が実験に同意した。新しい腎臓は患者の体の外で血管に接続され、研究者らが観察しやすい環境下に置かれた。
今回の手術を主導した移植外科医のロバート・モンゴメリー博士は、移植後の腎臓の機能に関する検査結果は「かなり正常に見えた」と述べ、「期待される量の尿」を作った、と付け加えた。
遺伝子組み換えをしていないブタの腎臓をヒト以外の霊長類に移植されたときに見られる活発な早期拒絶は見られなかった。患者の異常なクレアチニンレベル(腎臓機能の低下の指標)は、ブタの移植後に正常に戻ったという。
ブタの組織細胞では、遺伝子によって「α-gal」と呼ばれる炭水化物が生成される。このα-galがヒトの体で拒絶反応を引き起こす。モンゴメリー博士の研究チームは、遺伝子組み換えによってα-galが組織細胞で生成されないGalSafeブタを開発した。
GalSafeブタの開発では、1つの遺伝子が改変された胚が代理母ブタの体内に移植された。その後、代理母ブタは、人間の免疫系と適合する子ブタを出産した。子ブタは成体になると、腎臓がヒトの体内に移植された際の免疫応答を減らす目的で、胸腺を腎臓に付着させる手術を受けた。
GalSafeブタは、昨年12月に米国食品医薬品局によって、肉アレルギーを持つ人々の食品として、また人間の治療法の潜在的な供給源として使用することが承認されたばかりである。他の研究者は、GalSafeブタがヒトの心臓弁から植皮用の皮膚まで、すべての臓器の供給源になり得るかどうかを検討している。
モンゴメリー博士によると、来年もしくは2年以内に、末期腎不全患者を対象として、さらなる腎臓移植実験が行われる予定だという。今回の実験では1回の移植が行われ、ブタの腎臓は3日間しか経過観察されなかったため、今後の実験では克服すべき新たな課題が明らかになる可能性が高いとみられている。
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