世界陸上の英雄アスリートが射殺される！ 凶悪犯罪が急増するエクアドルの超ヤバい現状

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画像は、「ATROCIDADES 18」より

　今年は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で延期になっていた東京2020オリンピックが開催された。日本選手団は、史上最多となる金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個の計58個のメダルを獲得。賛否渦巻く中で開催されたオリンピックだが、選手らの活躍が多くの人々に感動を与えたのもまた事実である。

　オリンピックなどの世界的な大会に出場してメダルを獲得したスポーツ選手は、出身国で英雄視されることが多い。さまざまな面で先進国に追いつこうと意欲を見せる新興国ほど、その傾向は顕著である。しかし、称賛と名声をほしいままにしたスポーツ選手が幸福な人生を全うできるとは限らないのが現実だ。

　南米エクアドル最大の都市グアヤキルで今月20日、2019年にカタール・ドーハで開催された世界陸上競技選手権大会の男子200メートル銅メダリスト、アレックス・キニョネス選手（32）が射殺された。

画像は、「ATROCIDADES 18」より

　キニョネス選手は、ロンドンオリンピック男子200メートル予選で、当時のエクアドル新記録となる20秒28をマークし、全体1位で予選を突破した。その後も、翌年8月にモスクワで開催された世界陸上競技選手権大会の男子200メートルで準決勝に進出するなど、数々の活躍を見せた。東京オリンピックにも出場予定だったが、開幕前の7月、ドーピング防止の一環としての居場所情報の申告義務を怠ったとして、資格停止処分を受けた。

画像は、「ATROCIDADES 18」より

　地元警察によると、キニョネス選手は22日の午後9時20分ごろ、別の男性とともに銃撃され、深夜に死亡しているのが発見されたという。その銃撃の瞬間をとらえた監視カメラの映像が、YouTubeをはじめとする各動画サイトで公開されている。

画像は、「ATROCIDADES 18」より

　同国スポーツ省は23日、ツイッターに「非常に悲しいことに、アレックス・キニョネス選手が殺害されたことを確認しました。私たちに夢を見せ、インスピレーションも与えてくれた素晴らしい選手を失いました……。彼はこの国で最も偉大なスプリンターでした」と投稿した。

　ギジェルモ・ラッソ大統領は「彼の家族に心からお悔やみを申し上げます」と追悼ツイートを行うと同時に「エクアドル人の命を奪う連中は必ず罰せられます」と強調した。

　同国ではここ数カ月、暴力事件が急激に増加している。政府によると、今年1～10月の間に、殺人事件で約1,900人が命を落としたという。2020年の約1,400人に比べて大幅増である。

 
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