「また自殺か…」近隣住民 若者が次々と死んでいくラマ8世橋と有名モデルの死
――タイ在住歴20年の私バンナー星人が、タイ社会では馴染みの深い、妖怪、幽霊、怪談、呪術、占い、迷信といったものに光をあて、日本人の目には触れることが少なかったタイの怪奇世界に皆様をお連れします。
■自殺が起きても近隣住民は「またか」
チャオプラヤー川にかかる美しきラマ8世橋――今回もあの橋にまつわる話を語りたい。前回は長すぎるロープと高すぎる場所からの首吊りにより、非常に残酷な姿を晒した外国人の話だった。実は、この橋、タイ人の間でも自殺の名所である。チャオプラヤー川にかかる他の橋に比べても、自殺者の数はダントツに多い。近隣住民も「飛び降りがあった」「遺体が浮かんでこない」などの話を聞いても、「またか…ぐらいの感想しか出ない」「慣れてしまった」と漏らしている。
この橋からの自殺者には若者が多い。中には自分が橋から飛び込むところをスマホで生配信した女性もいた。この衝撃的なニュースは大きく取り上げられ、自殺した女性に金で雇われ、携帯で撮影していたバイク・タクシー運転手は非難の対象となった。
オンライン・オフラインを問わず野次馬の手によって、彼女のSNSは特定され拡散し、自殺が浮気性の彼氏へのあてつけだったと発覚。彼氏と一緒に映った自殺者の写真もネット上にばらまかれ、彼女を死に追いやった張本人として元彼はネットで炎上、糾弾されることになった。奇しくも「彼氏への復讐」という自殺の目的はネット社会の闇によって達成された。
そんな「ラマ8世橋からの飛び降り自殺」の中で、もっとも有名な事件が大人気モデルAの飛び降り自殺のニュースである。ある日の昼下がり、橋から青年が飛び降りるのが目撃された。残されていた携帯電話から、すぐにその青年がモデルAだと判明。監視カメラの映像には、彼が3度ほど身を乗り出し、最後に決心したように飛び降りた様子が記録されていた。さらに着水後、一度浮かび上がり、岸まで泳ごうとするも、そこで力尽き、沈んでいく姿も目撃されていた。
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2024.10.02 20:00心霊「また自殺か…」近隣住民 若者が次々と死んでいくラマ8世橋と有名モデルの死のページです。怪事件、怪談、タイホラー通信などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで