もうすぐ富士山大噴火で被害はどうなる!? ハザードマップが大幅見直し、絶望的すぎる現実判明!

■溶岩流はどこまで達するか

 結果的に、富士山から噴出した溶岩はさらに広がり、下記のハザードマップでは、噴火後の最大57日以内に紫色で示されたエリアまで溶岩流が到達する可能性があるとしている。都心から車で1時間ほどの、相模湖(神奈川県相模原市)辺りまで達することになる。

もうすぐ富士山大噴火で被害はどうなる!? ハザードマップが大幅見直し、絶望的すぎる現実判明!の画像3
【図】週刊ポスト2021年6月18・25日号より引用

 今年ハザードマップを大幅に見直すことになった理由について、改定の中心的人物である山梨県富士山科学研究所の吉本充宏博士によると、「以前は、溶岩流は広がって流れる想定でしたが、詳細なデータをもとに、谷や川などの細いところを流れることによって、溶岩が冷えずにずっと遠くまで流れていきます」(NHK 首都圏ナビ、2021/06/05)という。

■「近いうちに起きる」と考えておくべき

 このように、ひとたび富士山が大規模噴火を起こせば、40km以上も離れた地点まで溶岩流が到達する可能性もあり、これはラ・パルマ島の噴火の比ではない。溶岩流は速度は遅いものの、市街地に到達すれば家屋や道路は甚大な被害を受け、住民は長期にわたる避難を余儀なくされる恐れがある。

 さらに「噴火するとしても、それはずっと先だろう」という考え方は、甘いかもしれない。というのも、富士山の噴火は過去5600年間でおよそ180回にのぼり、単純に考えれば30年に1度の頻度で噴火したことになる。特に静岡県・山梨県・神奈川県に住む人々は、「いつか起きる」ではなく「近いうちに起きる」と考えておくべきだろう。たとえ命は助かったとしても、家が消え去るかもしれない。また、火山灰の降灰次第では、首都機能がマヒする怖れも十分にある。

 富士山は1707年に「宝永大噴火」を起こして以来、300年以上も不気味な静けさを保ったままだ。ということは、過去の噴火史を見ると、尋常ではない空白期間が続いていることになる。8月の記事でも警告したが、宝永大噴火の時期がそうだったように、富士山噴火の前後に南海トラフと南関東(首都)直下で大地震が起きる可能性もある。2つの巨大地震に挟まれる形で富士山噴火が起こる――そんな悪夢の3連発が現実に日本を襲ったら、国家の存続さえ危うくなってくるだろう。

 

参考:「時事通信」、「富士山火山防災協議会(火山防火マップ)」、「日本経済新聞」、「NEWSポストセブン」、「山梨県」、「NHK首都圏ナビ」、ほか

文=百瀬直也

超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。
Webサイト:百幸.com
ブログ:『探求三昧』
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Twitter: @noya_momose

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