【M-1決勝進出・錦鯉】「ずっとダラダラしていた」2人がなぜブレイク? 知られざる経緯(インタビュー)
■「中年の星」ではない!
――この本ではお2人が芸人になってからのことが書かれていますが、ずっと精力的に活動していたわけではなくて、結構ダラダラと過ごしていた期間もあったりしたそうですね。
渡辺 ずっとですね。ずっとダラダラしていました。
長谷川 本当に良くないと思いますね。自分の中で「30歳まで」とか「5年以内に」とかちゃんと決めて、それで達成できなかったら別の道に行くとか、そういうことをやった方がよかったのかなと思います。そういうのを決めてなかったから、ダラダラと辞めるきっかけを逃してここまで来ちゃいました。
――それはご自分たちではあまり良くなかったと思っているんですね。
長谷川 振り返ってみたら、良くないですよね。今やっとお仕事を頂けるようになって、お金ももらえるじゃないですか。でも今、僕は50なんで、お金があってもおいしいものとかそこまで食べられないし、奥歯がなくて噛めないんです。女性はどうなのかって言っても、結婚もしてないし。膝も腰も悪いからスポーツもできない。何が楽しいんだ、って。
だから、若くして売れた方がいいです。いろんな経験もできるじゃないですか。
渡辺 絶対そうだよ。
――「中年の星」なんて言われることもありますが、ご自分たちではこの年齢で世に出るのはあまりいいことだとは思っていないんですね。
渡辺 全然思ってないですよ。だって、世の中年の人の方が絶対にすごいから。僕らがこうなったのなんてたまたまです。
――本の中でも書かれていましたね。自分たちは商店でたとえたら潰れた店なんだから、こんなの見習っちゃいけないって。
渡辺 それは本当に思ってます。僕らを目標にしちゃダメです。反面教師にしてほしいです。
■芸人を名乗って笑わせなかったら詐欺
――でも、お2人が世に出たことで、キャリアの長い芸人に夢を与えた部分もあるんじゃないですか?
長谷川 それも言われますね。「僕らでもまだできるんだ、がんばれるんだ」って思わせた反面、「もう辞めようかな、違う仕事しようかな」と思ったときに、僕らのせいで「まだ希望はある」って延命させてしまった。良し悪しがあるのかもしれないですね。
――お2人はライブに出ている頃に、自分より若手の人が売れても焦ったり嫉妬したりしなかったそうですね。
渡辺 もう慣れちゃってましたね。当たり前のことになってました。「そりゃそうだろう、若いんだし」とか思ってました。
――それを見て焦って「俺たちもがんばらなきゃ」みたいにはならなかったですか?
渡辺 正直、そこまではなかったです。
長谷川 もう麻痺してました。同期だったらタカアンドトシとかいるんですけど、タカトシが『M-1』に出た、『オンバト』に出た、売れた、みたいなときに「クソー! 俺も負けないぞ!」ってなればいいのに「良かったね、おめでとう」って思っていたし。同じ事務所の後輩のバイきんぐが売れたときも、悔しいというよりは「やっぱり面白いもんな」って。野心がないのが良くないなと思いました。
――お2人ともそういうタイプみたいですね。
渡辺 そうなんですよ。似てるんですよ。
――それって結構珍しいですよね。世に出てくるようなお笑いコンビって、どちらかがガツガツしていて、その人が引っ張っていって売れるみたいなイメージがあるんですけど。
長谷川 そう言われたら珍しいかもしれないですね。もう奇跡ですね。
渡辺 何やってるんだ、って話ですよね。どっちか引っ張れっていう。
――でも、最近は『M-1』でも「決勝に行くんじゃないか」とか言われたりしていて(※)。ここ数年は前向きにやってきた感じがあるんじゃないですか?
※ 取材日は11月22日。その後、錦鯉は『M-1グランプリ 2021』の決勝進出を果たした。
渡辺 昔からネタはちゃんとやっていた方だと思いますね。「お笑い芸人です」って名乗って、笑わせなかったら詐欺だなっていうのもありまして。「いけるかもしれないな」「がんばろうか」みたいな感じはありました。でも、その「がんばろうか」も、ほかのコンビに比べたら弱かったと思います。
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