米露“全面核戦争”後の地球の姿を学者が分析、恐ろしい末路! 10年続く「核の冬」とは!?

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「Phys.org」の記事より

 煤煙の“雲”は1週間で北半球を覆い、2週間以内に南半球を含む惑星全体を覆い尽くし、地表に届く日光量を急激に減らして日中でも暗くなる。核戦争前の日光量の40%まで回復するのに3年かかるということだ。つまり3年たってもまだ核の冬は終わったとは言えない状態にあるのだ。

 研究チームは、森林火災、火山噴火、および前回の核の冬シミュレーションのデータを使用して、農業生産の壊滅的な損失、大気循環の変化、夏季のモンスーン気候の消失を含む、地球の気候への多大な変化をマッピングした。

 そして太陽光を遮る地球を覆う厚い煤煙の“雲”が分散するのには約10年かかると研究チームは試算している。核の冬が完全に終わるまでに10年を要することになる。したがって国家レベルであれ個人レベルであれ食料の備蓄が核戦争後のサバイバルを左右することになる。

 しかしながら、大気中に放出される煤煙のレベルは恐竜を絶滅させた気候変動よりも桁違いに小規模なので、人類は十分にサバイバルできるというのが研究チームの見解だ。

 しかし、だからといって手放しで喜ぶわけにはいかないかもしれない。このシミュレーションはあくまでも現在存在する米ロの核兵器の数を反映したものであり、米ロ以外の核保有国の核兵器や、今後生産される核兵器については考慮の外に置かれているからだ。

 したがって研究者たちはやはりこれ以上核保有国が増えるべきではないと主張している。そして核軍縮と最終的な核兵器全廃が求められていると結論づけている。戦争の歴史から多くを学んでいるはずの今日の人類が、核戦争の愚を犯すことは決してあってはならない。

参考:「Science Alert」、 「Phys.org」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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