【未解決】全米が震えた不可能犯罪「ベンジャミン・ネイサン殺人事件」! 雷雨と密室、奇妙な証言…!
■雲をつかむような未解決殺人事件
この殺人事件がニュースになるや全米を震撼させた。新聞各紙はセンセーショナルな見出しの記事を載せ、不躾な好奇心を求める人々の群れが犯行現場のタウンハウスに群がった。ネイサンは裕福で著名な人物だったため事件の衝撃度は高く、犯人探しにおける警察へのプレッシャーも強まった。
調査の結果、奇妙な手がかりがいくつか見つかった。ペッカムズというカップルの隣人は、午前2時頃にタウンハウスから大きな叫び声や物が倒れる音が聞こえたが、そのうちに騒音が止まって再び眠ったという。しかし、そのほかの住民はその時間に何も聞こえなかったと話していた。
事件発覚の日の朝、新聞配達員のジョン・ニースは午前5時ごろに玄関のドアが開いているのを見て、「フリーメイソンのような」服を着た謎の見知らぬ人が新聞を拾うために通り過ぎたと主張した。彼は新聞をポケットに入れて、立ち去ったという。
こうした証言はすべて非常に興味深いものであったが、犯人が誰であるかを明らかにする手がかりはほとんどなく、捜査は行き詰まった。
鍵のかかった家の中で犯罪が行われたことを第一に考慮すれば、犯人は同居人の中にいると考えるのも理に適っている。
同居人全員を詳しく調べながらも、警察が目をつけた最初の容疑者はネイサンの息子ワシントンであった。長男のフレデリックは周囲からも尊敬されている成功したブローカーであったが、ワシントンのほうは褒められた素行ではなかった。ワシントンはアルコール依存症で買春癖があり、酔って喧嘩をすることも珍しくないという人物であったのだ。
彼はまた、生前の父親を最後に見た人物であり、加えて父の遺体を最初に発見した者でもあった。
しかし、28日の夜もワシントンは売春宿へ行っており、大量のアルコールを飲んで帰宅した時は酩酊状態であったため、犯行が可能であったのかどうかは疑問である。また、ネイサンの意思でユダヤ教徒の女性と結婚していない息子に遺産は相続しないことが定められており、今のワシントンには遺産を相続する権利がなかった。
しかしながら、ワシントンと生前の父親とも関係は良好で、ネイサンはワシントンに気前よく小遣いを与えていたという。父がいなければ困るのはワシントンのほうなのだ。こうしたことから警察はワシントンを疑うことを諦め、捜査はますます難航することになった。
それでも警察はやや強引に何人かの前科者などを容疑者に見立てたのだが、いずれも無理があり起訴に到ることはなかった。またメイドの息子が疑われたこともあったが、容疑者にするには明らかに証拠不足であった。
ベンジャミン・ネイサンを殺したのは誰なのか。どうやって部屋に入り犯行後にどうやって部屋を出たのか。そしてネイサンを殺した動機は何だったのか。警察はもちろん、誰も何一つ説明ができない雲をつかむような未解決事件がこの「ベンジャミン・ネイサン殺人事件」である。
参考:「Mysterious Universe」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊【未解決】全米が震えた不可能犯罪「ベンジャミン・ネイサン殺人事件」! 雷雨と密室、奇妙な証言…!のページです。密室、フリーメイソン、殺人事件、投資家、ベンジャミン・ネイサンなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで