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大地震を頭痛で予知する方法を解説！日本人が世界で一番、体得しやすい特殊能力

2022.06.14 14:30

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　昨今、「気象病」の報道が増えてきた印象を受ける。これは天候に伴う気圧の変化で体調を崩すという現象が認知されてきたことや、梅雨の時期に入って体調不良を訴える人が増えるという背景もあるだろう。

「天気痛」とも呼ばれる気象病に関する研究の歴史は古く、日本では1940年代前半には論文が登場している。その症状は頭痛、食欲不振、気分の落ち込み、鬱、めまい、メニエール病、喘息、腰痛、肩こり、神経痛、関節炎、リウマチ、蕁麻疹、吐き気など様々だ。

　気象病に悩まされる人々は女性が圧倒的に多く、2020年6月にウェザーニュースが16,482人に対して行ったアンケート調査では、天気痛を「持っている」または「持っている気がする」と答えた人のうち約8割が女性である。

■3.11の前に頭痛に悩まされていた人が多数！

　筆者は男性であるが、2013年頃から自分が頭痛持ちである要因の一つに気象病があるのではないかと考えるようになった。しかし、自分の頭痛がすべて気圧変化だけに起因するとも思えなかった。というのも、気象病のことを知る前から、地震が起きる数日前に頭痛を発症することが多いという実感があったからだ。

　もっとも顕著な例で言えば、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震（東日本大震災）の時は、2週間ほど前から連日のように頭痛に悩まされながらも仕事を休めず、我慢してSEとしての仕事に従事していた。実は、筆者と同様に3.11前後に片頭痛を訴えた患者についてアンケート調査を行なった結果をまとめた研究論文がある。昭和大学薬学部の准教授だった石井正和氏らによる『首都圏に在住する片頭痛患者に対する東日本大震災の影響』と題した論文だが、そこでわかったのは、震源から離れた東京都でも「地震予知型片頭痛」と思われる患者がいたことだった。自覚せずとも、やはり地震の前兆として頭痛を発症している人もいると考えられる。

　故・池谷元伺大阪大学名誉教授の説では、地震の前に地下で岩石破壊が生じることによってパルス電磁波が発生し、それが地上に伝わり、人間の頭痛などの「体感」を引き起こす要因となることもあるそうだ。

■「低気圧の頭痛」と「地震前兆の頭痛」をどう見分けるか

　だが、ここで問題が生じる。地震が原因の頭痛と、気象病による頭痛をどうしたら見分けることができるのだろうか？筆者は2013年頃、「頭痛ーる」というモバイルアプリの存在を知った。これは、低気圧の接近による気圧変化がもたらす頭痛を“予報”してくれるものだが、その強さに段階があり「やや注意」→「注意」→「警戒」と警戒度が上昇していく。

　このアプリを利用していくうちにわかってきたのは、筆者が特に酷い頭痛に襲われる時、低気圧の接近と地震の前兆が重なるということだった。つまり、通常レベルの頭痛がある時、「頭痛ーる」でアラートが出ていれば低気圧の接近によるものと判断でき、逆に何のアラートもなければ地震の前兆であると判断できるようになったのだ。そして、酷い頭痛にもかかわらずアラートがなければ、それは大きな地震の前兆の可能性もあるということだ。

　このように、筆者同様に頭痛持ちの人は「頭痛ーる」のようなアプリの予報を参照することで気象病要因か、それとも地震前兆なのか、およその判別が可能となるのではないかと考えている。機会があればぜひとも意識を向けてみてほしい。

■頭痛から地震発生までのタイムラグ

　そして筆者の経験上、頭痛が起きると3～4日後に（自身が暮らす）関東圏の近辺で地震が起きることが多い。他の人々はどうなのか知りたくなり、SNS上でアンケートを取ってみた。すると、ほとんどの頭痛体感者は、地震の「1～3日前」に頭痛が起きることがわかった。つまり地震前兆の頭痛は、だいたい発症から1～4日で地震が起こると考えておけばよさそうだ。

　以下に、頭痛が起きた後で関東近辺で地震が発生した最近の著しい例を示す。（カッコ内には筆者の自宅から震源までのおよその距離を示す）